Sparta Summer
【おまけ】
「うふふ( *´艸`)」
リコリスはイスに座りながら、プールにいるアリスとハルクを見ていた。最初は泳ぎの特訓をしていたが、今では二人で遊んでいた。
と言っても、浮き輪で浮かぶアリスをハルクが無理やり引っ張っているだけ。アリスは「早いってばー!」と叫んでいるが、リコリスの目には楽しそうに見えているようだ。
(二人共、楽しそうね( ´∀`)私もアレじゃなければ、プールに入れたんだけど、終わるまでは仕方ないわ。まだ暑い日は続くみたいだし、アリスとプールに入れる期間はある!その時までは待つわよ)
バシャン!
アリスが浮き輪から落ちたらしく、ハルクが戻り、アリスを引っ張り上げる。
「お前、すぐ落ちるな…」
「ハルクがスピード上げて、どんどん引っ張っていくからだよ!早すぎるの!」
「ゆっくりじゃつまんねェじゃん」
「私はゆっくりでいいの!のんびりしたいんだから」
二人の言い合いすらもリコリスにとっては、癒しでもあった。
(可愛いわね(*´∀`)ずっと見てられるわ。夏限定でしか見ることの出来ない水着姿のアリス。去年のとまた違うけど、これもまた似合っているわ。私もアリスと同じ色の水着を買おうかしら。それ、いいわね( ・`д・´)後で、スマホで新作の水着を探さなくちゃ)
「ほら、浮き輪に乗れよ。さっきよりはスピード落としてやるから」
「ゆっくりだからね!」
「わかったから、さっさと乗れ」
そう言われて、再び浮き輪に乗るアリス。それを確認してから、ハルクが浮き輪を引っ張りながら泳ぐ。最初はゆっくりなペースでアリスも喜んでいたが、徐々にスピードは上がって行く。喜んでいたアリスも顔色を変えて、「話が違う!」と叫びながら、またも耐えきれずに、浮き輪から落ちたのである。
「嘘つきー!ハルクのバカー!」
「最初はゆっくりにしてやったろ?」
「ずっとゆっくりでいいんだよ!スリルなんて求めてないもん!」
用意されたドリンクを飲みながら、リコリスは二人を眺めていた。
(眼福、眼福…(ФωФ))
「リコリス姉!」
「あら、ラセンにリンネ。どうしたの?」
リコリスの元に二人の妹がやって来た。ラセンは相変わらず薄着で、青と白のキャミソールを重ね着に短いパンツ。リンネは水色の半袖のワンピースだった。
「何かこっちで声がしたから、誰かいるのかと思って、見に来たんだ!あ、アリスとハルクだ!」
「あの二人は相変わらずだね。で、リコリス姉は入らなかったの?」
「ええ。私も入りたかったけど、今回は遠慮してるのよ」
「リコリス姉もなんだ。あたしも今日は入れないんだ。残念だなー!リンネ、入れば?」
「いい。あの二人の邪魔をするほど、空気は読めなくないよ…」
三人の見つめる先にアリスとハルクが何やら言い合いを始めていた。おそらく浮き輪から何度も落とされて、アリスが怒ってるようだ。ハルクは「はいはい」と言って、聞き流していた。その態度にアリスは更に怒ったのか、ハルクにバシャバシャと水をかけ始めた。最初はかけられ続けていたハルクだったが、流石に頭にきたらしく、反撃を始めた。今ではお互いに水をかけあっていた。
「同レベル」
「あの二人、いつもああなるよね。飽きないのかな?」
「可愛らしいやりとりじゃない!(*>∀<*)ノ」
「「え」」
キラキラとした目をしながら、二人を見つめるリコリス。そんなリコリスにラセンとリンネは、小声で話す。
「(リコリス姉には、あのやりとりが可愛らしく映るんだね)」
「(全然可愛くないし。たまにリコリス姉のことが理解出来ない時があるよ。アリスが関わるとね)」
「(あたし達には理解出来ないこともあるんだよ)」
二人は頷き合った。
リコリスは、うっとりとしながら、アリスとハルクを見ていたのだった───。
【END】
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