April Fool
【おまけ】アリスの暴言の理由。
桜のケーキを頬張って食べるアリス。そんなアリスを正面から見つめるリコリス。そんな二人を見ながら、ハルクは用意された紅茶を飲んでいた。
さっきまでアガットもいたが、彼女は他の使用人に呼ばれてしまい、席を離れていた。
「おいしい?アリス」
「うん!」
満面の笑みを浮かべるアリスにリコリスは、心の中で悶えていた。
(可愛い(ノ≧▽≦)ノ可愛すぎるわ~!やっぱりアリスは、可愛くてたまらない。また何か用意してあげなくちゃね)
そんなリコリスを見て、ハルクは一瞬、言いかけたが、それをやめて、アリスに話を振る。
「アリス。お前、何でリコリスにあんなこと言ったんだ?」
「それは、皆とカードゲームして負けちゃったのとエイプリルフールだったから」
「エイプリルフール?……ああ、だからかよ!」
「すっかり忘れてたわ」
「二人共、忘れてたの?あのね…」
アリスが二人に話し出した。
それは、リコリスが旅行から帰る前の日の夜のこと。
クロノの部屋でクロノ、ラセン、アリス、リンネがカードゲームをしていた。エリーゼは彼氏と電話中だったため、誘っていない。
色んなカードゲームをして、遊び。アリスが一番負けていた。たまにリンネやラセンも負けることはあるが、多いのはアリスだった。
「負けたー!クロノお姉ちゃん、強いよ!」
「そんなのアリスが弱いだけじゃん!」
「む、リンネこそ、クロノお姉ちゃんにケチョンケチョンにやられてたでしょ!」
「うるさい。ビリのアリスに言われたくない!」
「でも、確かにクロノ姉、強いよね。あたしも全然勝てないし」
「カードゲームなら、負けはないからな。さて、最下位のアリスには、罰を受けてもらおうか」
「ど、どんな…?」
「アリスの罰ゲームは、リコリスに嫌いと言うことだな」
「え!?出来ないよー!」
「嫌いが無理なら、あいつにダメージを与える言葉を言えばいい」
「ダメージ!?」
「それに明日はエイプリルフールだし。リコリスもすぐ嘘には気づくはずだ」
それで翌日にアリスはリコリスと会い、あの言葉を言って、リコリスを気絶させたわけである。
「……って、ことなの。本当にごめんなさい」
「そうだったのね。アリスは優しい子ね!嘘でも嫌いを使わないようにしてくれるなんて…」
「リコリス、アリスに甘いな」
「当たり前じゃない!でも、クロノ姉さんには文句を言いに行きたいわね!」
「ケンカはだめだよー!」
「喧嘩なんかしないわよ。うふふ…」
その夜。
アリスがお風呂に入っている時、リコリスはある部屋に来ていた。その人物に文句を言うために。
「クロノ姉さん」
「リコリス。どうした?アリスと一緒じゃないのか?」
「姉さんに話があって、抜けて来たの。姉さんがアリスにあんなことを言わせたのね(o・`Д´・o)!!」
「ああ、アリスに聞いたのか。そうだ。刺激があっただろ?」
「あんなのはごめんよ!私、お先真っ暗になったわよ。もう(`Δ´)」
「たまには面白いかと思っていたんだがな」
「二度とアリスに変なことしないでね!( `_ゝ´)」
怒りながら、リコリスはその場を去っていく。クロノはそれを見て、笑っていた。
【END】
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