Warm Sunlight
数日後。
熱も下がったと聞いて、アリスと共にアイツの部屋に向かった。アリスの手に軽く丸まった紙。何か聞いたら、アイツへのプレゼントらしい。
「リコリスおねえちゃん!」
「アリス!!」
アイツはアリスを抱きしめる。だが、よほど力強く抱きしめたのか、珍しくアリスが苦しがっていたから、引き離した。
「お前はアリスを殺す気か!」
「だって、熱が下がるまではアリスとは会えなかったんだものー!やっと会えたのよー!もっと抱かせてー!」
「いやいや、抱き潰すだろ!ダメだ!」
「リコリスおねえちゃん。わたし、おねえちゃんのえをかいたのー!みてー!」
アリスが丸めて持っていた紙を見せる。紙にでっかく描かれた絵を見て、アイツは号泣する。
「アリス。私を思って、描いてくれたのね(*´∀`*)お姉ちゃん、嬉しい!お礼にハグしてあげる!おいで!ヘ(・。・。)」
「……」
手を広げて、アリスが来るのを待つ。だが、アリスはよほど苦しかったのか、オレの後ろに逃げた。
「アリスが警戒してんぞ。ほら」
「アリス。そんな…Σ(゚д゚lll)」
「リコリスおねえちゃん、ごめんねー」
「私よりもはあくんがいいのー!?アリス」
「はあくん??」
「うん!ハルクがいい!」
「はあくん、やっぱりあなたは私の敵よー!( ;゚皿゚)ノシ」
「何でだよ!」
こうして、この一件からリコリスとは仲良くなった。仲良くなったせいか、リコリスはオレに対して、素を見せるようになった。同い年なのもあるせいだろう。
しかし、仲良くなるのはいいが、ことあるごとにアリスの写真を見せてきたり、アリスの話をやたらしてくるのは、少し困る。
リコリスにそれを言えば、「だって、アリスの話を聞いてくれる人、今までいなかったんだもの!はあくんなら、聞いてくれると思って。だって、私がアリスといても、何も言わなかったでしょ?だから、この人になら、素を見せられると思ったの!」と。
いや、何も言わなかったんじゃねェ。面倒だから、放っていただけだ。それをリコリスがいいように取っただけだから。
アリスはオレとリコリスを見て、笑っていた。
「なかよしー!」
「違ェよ」
「ええ。私とはあくんは仲良しよー!」
「……勘弁してくれ」
【END】
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