Summer Festival

初めて夏祭りに来た。
今回はコウやシンジュ達もいるから、気が楽だ。ま、他にもいるけど。

女子の何人かは浴衣姿だった。アイツと来てたら、浴衣着てくれたかな。
本当はアリスとお祭りに来たかったけど、何度誘ってもアイツ、「お友達と行った方が楽しいですよ!」としか言わねェし。オレはお前と行きたいから誘ってんのに!あの鈍感女は…。
アリスのこと考えるのやめよ。せっかくお祭りに来たんだ。



「結構、屋台あんだな…」

「そうだね。沢山あるけど、あちこちに同じものは売っているからね。自分で食べたいところを選んで食べればいいんだよ」

「ふーん…」


屋台を見れば、こないだアリスと一緒に作ったたこ焼きやお好み焼きを始め、かき氷、焼きそば、じゃがバター、わたあめ、チョコバナナ、りんご飴などがあった。食べ物以外にも射的、金魚すくい、くじなどがある。色々あんだな。

そういえば、アリス、射的が得意とか言ってたな。銃みたいなヤツで景品を当てて落とすだけとか言ってたような。後でやってみ…
……………はっ!
オレ、またアリスのこと考えてる!一旦、忘れろ!



「さっきから百面相してるよ、ハルク。アリスさんのことでも考えてたの?」

「違ェよ!」


否定したが、コウもシンジュも全然信じてねェ。気にしたら負けだ!



「それより、何か食おうぜ。腹減った!」

「そうだね。三人いるからシェアして食べる?そしたら色々と食べられるよ。好きなものなら、一人で食べてもいいし」

「うん。そうしよう。ハルクはお祭り自体が初めてなんだよね?何が食べたい?」

「お好み焼き、たこ焼き、かき氷はこないだアリスと一緒に作ったからそれ以外がいい」

「アリスさん、作ってくれたんだ」

「アイツは屋台の方がおいしいから食べた方がいいとは言ってたけどさ。オレは…」

「全部は食べなくても、ひと口は食べてみたら?それで食べてもアリスさんのが良かったら、また作ってもらったらいいし」


そうだな。そうするか。



「他の皆、いないね」

「あまり大人数でも動けないからね。さっき、メッセは送っておいたし、取りあえずは俺達は俺達で回ろうか」

「オレはこのままでいいけど」


女子がいる方が面倒だし。何考えてるかも全然わかんねェし。それなのにジーっと見てくるし。何か言えば、すぐ怒るからな。特にマーズ辺り。
アイツ、オレの顔を見るなり、いつも何か言わないと気が済まねェんだよな。口うるさいのは、ボルドーで充分だ。


三人で屋台を回りながら、食いもんを買って、食べた。色々なもんあって食べたけど、やっぱりアイツと一緒に作ったもんは屋台のより好きだった。また作ってもらおう。




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