Vampire × Lovers
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意外に面白いな、このドラマ。恋愛ものって退屈な時があるけど、これは面白い。だから、皆、ハマっていったのか。出てる登場人物達もイケメンばっかだし。私はこのルク様役の人、もう少し大人になったリク様みたいでかっこいいなとは思いながら観ていた。私はリク様が一番だけど。……かっこいい。
『僕はあなた以外、いりません。だから、あなたも僕だけを見てください』
『ルク様…』
きゃあ！こんなこと言われてみたい！！ドキドキしちゃう。これをリク様で想像したら、破壊力がすごい！やばい。やばいよ！
まるで自分が言われたみたいにテンションが上がって、バシバシ叩いていたら、お坊っちゃまに冷たい目で「痛ェんだけど」と言われた。その目を見て、我に返る。どうやら私は、お坊っちゃまの肩を叩いていたらしい。しまった。つい…。「ごめんなさい」と謝った。
冷静になって、またドラマに目を向ける。
確かにこのドラマの兄弟達がここの屋敷の兄弟達と外見がそっくりなんだよね。ドラマの方は全員が大人なんだけど、似てるのよ。性格の方は似てる人と似てない人いるけど。お坊っちゃまに似てるラルクも顔はそっくりなのよね。中身は…ちょっと似てる部分もあれば、似てないところもあるけど。
「アリス」
「どうしました？お坊っちゃま」
「この主人公さ、お前に似てねェ？」
今まで黙って観ていたお坊っちゃまが私にそう言ってくる。主人公が私に？
「えー。似てませんよ！私、こんな優柔不断じゃないですし。鈍感じゃないです」
「鈍感は似てるし、お前の方がひどいから。中身じゃなくて、外見だって」
そうかな？可愛い子ではあるけど、私とは似てないよ。同じ髪色で同じ長さなだけだと思う。うん。
そういえば、ベゴニアもこのドラマを観たらしいけど、私に「最初はあんたとリク様を見てるようで、途中からあんたとハルク様みたいに見えて。全然楽しめなかった…」って言われたっけ。リク様はわかるけど、何で私とお坊っちゃまになるのよ。しかも、かなり激しいラブシーンがあるって言っていたような？お坊っちゃまに見せて、大丈夫なの？
スマルトは「これ、純愛に見せてるのは最初だけね。兄弟達による主人公のドロドロの取り合いよ。後半は人間と吸血鬼の戦いが中心になってくけど。合間に激しいラブシーンを挟んでるし。私的に主人公は○○と結ばれるわね」と予測を立てていたし。
このドラマ、面白いんだけど、主人公でかなり分かれると思う。最初は普通の子だったのに、どんどん他の兄弟達に口説かれると、ポーっとしてしまうのだ。あんた、ルク様の恋人でしょ！ルク様一筋じゃないのかと腹が立ってきたし。話が進むに連れて、兄弟達それぞれとちょいちょい打ち解けるところも増えてきたし。吸血鬼だから血を吸うシーンとかも出てきた。ルク様以外からの吸血シーンが。
いやいや！ルク様以外に血を飲ませるな！だから、あんた、何でホイホイと他の兄弟との間で揺れてるのよ！ルク様の恋人でしょ！ルク様だけに血をあげなさいよ！こら！アリア。ルク様のところに行けってば。なーんで、そこでレスクに行く！レスクにはルコリンという恋人がいるの！二人はお似合いだから二人の仲を壊すな！あー！ちょっと今度はリルロかい！リルロは優しいようで、優しくないから。ほら、嘲笑われてる！だから、言ったじゃん！
「アリス、うるせェんだけど」
「え？」
「途中から声出てたぞ。血を飲ませるなとか二人の仲を壊すなとか嘲笑われてるって…」
興奮して、いつの間にか口に出してたのね。恥ずかしい！
「すみません。つい…」
「気持ちはわかるけどな」
「え…」
お坊っちゃまがまた前を向いてしまったから、私もまたドラマを観始める。
リルロだけではなく、ルイやロラは人間が嫌いだから、アリアにも冷たい。なのに、アリアはめげずに彼らに話しかける。すごいメンタルだわ、この子。しかも、ルク様とのラブシーンがどんどん激しくなってきてるし。これ、R指定入ってない？というか、ルク様とのシーン、ほぼヤッてるとこばっかだよ！色気がすごいのよ！このルク様！！部屋が暗くて良かったわ。私の顔、真っ赤だし。血を吸った後から、そういうシーンに進むんだもの！ドキドキしながら観てたわ。もう鼻血が出そうよ、私。お坊っちゃまに変態女と思われてしまう。
そういえば、お坊っちゃま、こういうシーンは平気なのか。隣を見たら、真顔で観てたわ。ある意味、すごい。
ルク様とのラブシーンで顔を真っ赤にしながら観ていると、主人公は他の兄弟にも関わろうと近づいてく。だから、ルク様だけにして。関わらなくていい。ほら、ラルクがちょっとずつアリアに笑う顔を見せるようになってきてる。そのうちに修羅場になるやつじゃん。ルク様とエッチしながら、ラルクに近づくんじゃない！だー！やめろー！フラグ立っちゃうから。あんたはルク様の恋人だろ！このくそビッチ！
私の中で主人公に対して、イライラが増してきていた。堪えながらも観ていたのだが、ついに私の中で一番許せない場面が来たのである。
何これ！？さっきまで『ルク様、好き…』とか言って抱き合ってたくせに。あんなに仲悪かったラルクとちょっといい雰囲気になって、ヤッちゃってるんだけど！バカー！受け入れるな！しかも、何でこんなに激しいラブシーンを入れてるわけ！？いらないわよ！ルク様を裏切ってるから！何が『私達は結ばれる運命なのね』だー！！ふざけんな！
もう許せない！！恥ずかしい感情は一切なく、怒りが頂点に達した。
「もう何このくそドラマ！！？」
「アリス！？何怒ってんだよ！」
「もう私、耐えられません！！観るのやめます！」
内容を受け付けられず、途中で離脱しました。
許せん！アリア。ルク様の恋人のくせに、ラルクとヤるなんて。浮気じゃないの！かっこよければ誰でもいいのかー！あんなに腹が立つドラマは初めてだわ。もう無理！！全然ハマれない！
このストレス、どう発散すれば…。お菓子を作ろう！！
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意外に面白いな、このドラマ。恋愛ものって退屈な時があるけど、これは面白い。だから、皆、ハマっていったのか。出てる登場人物達もイケメンばっかだし。私はこのルク様役の人、もう少し大人になったリク様みたいでかっこいいなとは思いながら観ていた。私はリク様が一番だけど。……かっこいい。
『僕はあなた以外、いりません。だから、あなたも僕だけを見てください』
『ルク様…』
きゃあ！こんなこと言われてみたい！！ドキドキしちゃう。これをリク様で想像したら、破壊力がすごい！やばい。やばいよ！
まるで自分が言われたみたいにテンションが上がって、バシバシ叩いていたら、お坊っちゃまに冷たい目で「痛ェんだけど」と言われた。その目を見て、我に返る。どうやら私は、お坊っちゃまの肩を叩いていたらしい。しまった。つい…。「ごめんなさい」と謝った。
冷静になって、またドラマに目を向ける。
確かにこのドラマの兄弟達がここの屋敷の兄弟達と外見がそっくりなんだよね。ドラマの方は全員が大人なんだけど、似てるのよ。性格の方は似てる人と似てない人いるけど。お坊っちゃまに似てるラルクも顔はそっくりなのよね。中身は…ちょっと似てる部分もあれば、似てないところもあるけど。
「アリス」
「どうしました？お坊っちゃま」
「この主人公さ、お前に似てねェ？」
今まで黙って観ていたお坊っちゃまが私にそう言ってくる。主人公が私に？
「えー。似てませんよ！私、こんな優柔不断じゃないですし。鈍感じゃないです」
「鈍感は似てるし、お前の方がひどいから。中身じゃなくて、外見だって」
そうかな？可愛い子ではあるけど、私とは似てないよ。同じ髪色で同じ長さなだけだと思う。うん。
そういえば、ベゴニアもこのドラマを観たらしいけど、私に「最初はあんたとリク様を見てるようで、途中からあんたとハルク様みたいに見えて。全然楽しめなかった…」って言われたっけ。リク様はわかるけど、何で私とお坊っちゃまになるのよ。しかも、かなり激しいラブシーンがあるって言っていたような？お坊っちゃまに見せて、大丈夫なの？
スマルトは「これ、純愛に見せてるのは最初だけね。兄弟達による主人公のドロドロの取り合いよ。後半は人間と吸血鬼の戦いが中心になってくけど。合間に激しいラブシーンを挟んでるし。私的に主人公は○○と結ばれるわね」と予測を立てていたし。
このドラマ、面白いんだけど、主人公でかなり分かれると思う。最初は普通の子だったのに、どんどん他の兄弟達に口説かれると、ポーっとしてしまうのだ。あんた、ルク様の恋人でしょ！ルク様一筋じゃないのかと腹が立ってきたし。話が進むに連れて、兄弟達それぞれとちょいちょい打ち解けるところも増えてきたし。吸血鬼だから血を吸うシーンとかも出てきた。ルク様以外からの吸血シーンが。
いやいや！ルク様以外に血を飲ませるな！だから、あんた、何でホイホイと他の兄弟との間で揺れてるのよ！ルク様の恋人でしょ！ルク様だけに血をあげなさいよ！こら！アリア。ルク様のところに行けってば。なーんで、そこでレスクに行く！レスクにはルコリンという恋人がいるの！二人はお似合いだから二人の仲を壊すな！あー！ちょっと今度はリルロかい！リルロは優しいようで、優しくないから。ほら、嘲笑われてる！だから、言ったじゃん！
「アリス、うるせェんだけど」
「え？」
「途中から声出てたぞ。血を飲ませるなとか二人の仲を壊すなとか嘲笑われてるって…」
興奮して、いつの間にか口に出してたのね。恥ずかしい！
「すみません。つい…」
「気持ちはわかるけどな」
「え…」
お坊っちゃまがまた前を向いてしまったから、私もまたドラマを観始める。
リルロだけではなく、ルイやロラは人間が嫌いだから、アリアにも冷たい。なのに、アリアはめげずに彼らに話しかける。すごいメンタルだわ、この子。しかも、ルク様とのラブシーンがどんどん激しくなってきてるし。これ、R指定入ってない？というか、ルク様とのシーン、ほぼヤッてるとこばっかだよ！色気がすごいのよ！このルク様！！部屋が暗くて良かったわ。私の顔、真っ赤だし。血を吸った後から、そういうシーンに進むんだもの！ドキドキしながら観てたわ。もう鼻血が出そうよ、私。お坊っちゃまに変態女と思われてしまう。
そういえば、お坊っちゃま、こういうシーンは平気なのか。隣を見たら、真顔で観てたわ。ある意味、すごい。
ルク様とのラブシーンで顔を真っ赤にしながら観ていると、主人公は他の兄弟にも関わろうと近づいてく。だから、ルク様だけにして。関わらなくていい。ほら、ラルクがちょっとずつアリアに笑う顔を見せるようになってきてる。そのうちに修羅場になるやつじゃん。ルク様とエッチしながら、ラルクに近づくんじゃない！だー！やめろー！フラグ立っちゃうから。あんたはルク様の恋人だろ！このくそビッチ！
私の中で主人公に対して、イライラが増してきていた。堪えながらも観ていたのだが、ついに私の中で一番許せない場面が来たのである。
何これ！？さっきまで『ルク様、好き…』とか言って抱き合ってたくせに。あんなに仲悪かったラルクとちょっといい雰囲気になって、ヤッちゃってるんだけど！バカー！受け入れるな！しかも、何でこんなに激しいラブシーンを入れてるわけ！？いらないわよ！ルク様を裏切ってるから！何が『私達は結ばれる運命なのね』だー！！ふざけんな！
もう許せない！！恥ずかしい感情は一切なく、怒りが頂点に達した。
「もう何このくそドラマ！！？」
「アリス！？何怒ってんだよ！」
「もう私、耐えられません！！観るのやめます！」
内容を受け付けられず、途中で離脱しました。
許せん！アリア。ルク様の恋人のくせに、ラルクとヤるなんて。浮気じゃないの！かっこよければ誰でもいいのかー！あんなに腹が立つドラマは初めてだわ。もう無理！！全然ハマれない！
このストレス、どう発散すれば…。お菓子を作ろう！！
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