……………
…………
………
……
…



玄関で待っていた。
本当は駐車場のところにいたかったけど、アガット達に熱中症になるから、屋根がある玄関で待てと言われたからだ。

それにしても遅い。まだ来ないのかよ…。
時間は12時を過ぎていた。流石に遅すぎじゃねェ？



「ハルク、そこで何してるの？」


顔を上げると、カルロが現れた。
荷物は持っていない。カルロの執事のアンバーが持っているのだろう。



「アリスは！？一緒に来たんだろ！？」

「お前は相変わらず第一声がアリスか。一緒だったけど、彼女達は旅館に送ってきたよ」

「旅館！？」

「そう。今回は使用人の休暇も兼ねた旅行だからね。この別荘には、アリス含めた使用人達は来ないよ。ここの別荘の使用人達とうちの専属執事がいるだけだから」

「聞いてねェし！」

「お前にいうと、面倒だから伏せといたんだよ」


アリス、こっち来ないのかよ！じゃあ、そっちに行って……あれ、場所はどこだ！？リク兄なら知ってるよな。聞きに行こう。
早速、向かおうとしたら、カルロに止められた。



「ストップ」

「ちょっ…何すんだよ！離せって」

「だめだよ。ここは屋敷じゃないんだから。アリスのところに行くのは禁止」

「何で！」

「お前ね。アリスは、毎日お前の面倒を見させられてるんだよ？たまにはゆっくり休んで欲しいって気持ちはないわけ？」

「そ、れは…！」


わかってるけど！
だからって、アリスに会えねェのはヤダ。



「じゃあ、面倒かけなきゃいいんだろ」


そう言ったら、カルロが物凄いかわいそうな目をオレに向けて、更には深いため息を吐く。



「……。お前自体が面倒かけてるんだよ。わからないの？」

「オレ自体が迷惑って言ってんのかよ！」

「それ以外ないだろ…」


すげー不愉快。何だよ。まるで俺がアリスに迷惑ばっかかけてるみたいに言いやがって…。


.