Summer Cottage(Ⅰ)
今日から別荘です。
使用人達は大型のバスに乗って、別荘まで向かうそうです。お坊っちゃま達はそれぞれの車で向かうみたいで、出発もずらしているのか、まだ誰も玄関口にはいません。
「アリス」
「スマルト、どうしたの?バスに乗らないの?」
「私、バスだと酔うから兄さんの車に乗ることにしたわ」
兄さんって、アンバーさんよね?ということは、カルロ様達の車に乗るのか。
「そっか。じゃあ、私はバスに向か…」
「待って」
鞄を持って、バスに行こうとしたら、スマルトに止められた。
「スマルト。私、早く行かないと席が…」
「もう席は埋まっているわよ」
その時、大型バスのドアが閉まった。更にバスは出発してしまったのである。
ええ!?私、まだ乗ってないのに!置いて行かれたー!!
「スマルト!置いて行かれちゃったよ。私、まだ乗ってないのに!」
「大丈夫よ。アリスも兄さんの車に乗るんだから」
「へ?」
「執事長とメイド長から許可はもらってるから。ついでにアリスの分もね」
え、何で私の分まで?
私、バス酔いとかはないんだけどなー。
二人で話していたら、背後から声をかけられた。
「二人共、おはよう」
「おはようございます、カルロ様」
「カルロ様!おはようございます」
旅行用の鞄を持ったカルロ様がやって来た。何かしら。まるで芸能人が避暑地に向かうようなイメージが浮かんで来たんだけど。
はっ!それよりも。
「あの!カルロ様。わ、わ、私も一緒に乗っていいんでしょうか!?」
「ああ、いいよ。俺としては、二人がいてくれて助かったかな。向こうに着くまでにずっとアンバーと二人っきりってのもむさ苦しいからさ」
「ですが、お坊っちゃまにバレたら…!」
そうだ。
前日に一緒に車に乗れって言われたのよ。でも、お坊っちゃま達の車には、タスク様とメイズが乗ると聞いていたから断ったんだけど、その後からもう機嫌が悪いのよね…。
今日は機嫌、直ったかな?
「ハルクのこと?ああ、朝もすっごい顔しながら、朝食を取っていたよ」
機嫌、直ってないし!!その上でカルロ様の車に乗るのバレたら怒りそう!
「大丈夫。ハルク達とは時間をずらして行くからさ」
「そうなんですか?」
「ハルク達は一時間後くらいに出発するみたいだからね。あ、アンバーが来たよ」
カルロ様に言われ、振り向くとアンバーさんが運転する車が私達の前で止まった。すると、アンバーさんが運転席から降りてくる。
「おはようございます。アンバーさん。お世話になります!」
「おはよう。アリス。そう堅苦しくしないでいい」
「そうそう。兄さんの運転は安全だから」
「さて、俺達も行こうか。あの暴れん坊に見つかると面倒だし」
車のトランクに荷物を詰め込んでいたら、スマルトは助手席に、カルロ様は運転席側の後部座席に既に座っていた。あれ?私、選択肢ない。カルロ様の隣しか空いていないじゃない。
別荘に着くまでの間だし、いいか!
こうして、私達は別荘へと出発した。
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使用人達は大型のバスに乗って、別荘まで向かうそうです。お坊っちゃま達はそれぞれの車で向かうみたいで、出発もずらしているのか、まだ誰も玄関口にはいません。
「アリス」
「スマルト、どうしたの?バスに乗らないの?」
「私、バスだと酔うから兄さんの車に乗ることにしたわ」
兄さんって、アンバーさんよね?ということは、カルロ様達の車に乗るのか。
「そっか。じゃあ、私はバスに向か…」
「待って」
鞄を持って、バスに行こうとしたら、スマルトに止められた。
「スマルト。私、早く行かないと席が…」
「もう席は埋まっているわよ」
その時、大型バスのドアが閉まった。更にバスは出発してしまったのである。
ええ!?私、まだ乗ってないのに!置いて行かれたー!!
「スマルト!置いて行かれちゃったよ。私、まだ乗ってないのに!」
「大丈夫よ。アリスも兄さんの車に乗るんだから」
「へ?」
「執事長とメイド長から許可はもらってるから。ついでにアリスの分もね」
え、何で私の分まで?
私、バス酔いとかはないんだけどなー。
二人で話していたら、背後から声をかけられた。
「二人共、おはよう」
「おはようございます、カルロ様」
「カルロ様!おはようございます」
旅行用の鞄を持ったカルロ様がやって来た。何かしら。まるで芸能人が避暑地に向かうようなイメージが浮かんで来たんだけど。
はっ!それよりも。
「あの!カルロ様。わ、わ、私も一緒に乗っていいんでしょうか!?」
「ああ、いいよ。俺としては、二人がいてくれて助かったかな。向こうに着くまでにずっとアンバーと二人っきりってのもむさ苦しいからさ」
「ですが、お坊っちゃまにバレたら…!」
そうだ。
前日に一緒に車に乗れって言われたのよ。でも、お坊っちゃま達の車には、タスク様とメイズが乗ると聞いていたから断ったんだけど、その後からもう機嫌が悪いのよね…。
今日は機嫌、直ったかな?
「ハルクのこと?ああ、朝もすっごい顔しながら、朝食を取っていたよ」
機嫌、直ってないし!!その上でカルロ様の車に乗るのバレたら怒りそう!
「大丈夫。ハルク達とは時間をずらして行くからさ」
「そうなんですか?」
「ハルク達は一時間後くらいに出発するみたいだからね。あ、アンバーが来たよ」
カルロ様に言われ、振り向くとアンバーさんが運転する車が私達の前で止まった。すると、アンバーさんが運転席から降りてくる。
「おはようございます。アンバーさん。お世話になります!」
「おはよう。アリス。そう堅苦しくしないでいい」
「そうそう。兄さんの運転は安全だから」
「さて、俺達も行こうか。あの暴れん坊に見つかると面倒だし」
車のトランクに荷物を詰め込んでいたら、スマルトは助手席に、カルロ様は運転席側の後部座席に既に座っていた。あれ?私、選択肢ない。カルロ様の隣しか空いていないじゃない。
別荘に着くまでの間だし、いいか!
こうして、私達は別荘へと出発した。
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