Cross Over
……………
…………
………
……
…
しばし回っていたら、欲しい本が数冊増えてしまった。これでも減らしたのに、まずいな。これ以上は増やさないようにしなきゃ。よし、会計しよう。
そう考えていたら───
「なあ」
「はい?」
後ろから誰かに肩をたたかれた。
振り返ると、そこにいたのはライ様だった。
「ライ、様?」
「え、何で俺の名前、知ってんの?」
「え?僕は屋敷で…」
「うちの屋敷にいた?おっかしいなー。お前みたいなやついたら、すぐ俺の専属執事にすんのに」
専属執事??
何かライ様なのに、話が噛み合わないような気が。
しかも、目の前にいるライ様は元気で、具合が悪そうにも見えなかった。
僕が屋敷出る前に覗いてみたら、弱々しいライ様が執事長に「おれ、もうダメかも。カルロ、最後に一回だけ…」「何言ってるんですか。謹んでお断りします!!」といつものやり取りしてたけど。
「ま、いいや。ちょっと付き合えよ!」
「え…」
「こーら、ライ!」
ライ様に手を引かれた時、誰かがやって来た。振り返ると、そこにいたのは───
「執事長…?」
「………え」
僕の前にいたのは、執事長だ。私服でもキッチリと着ているのに随分とラフな格好。だが、彼も今日は仕事で屋敷にいるはずだ。
その少し後ろには、口元にホクロがある男の人が控えており、歳は僕と同じくらいだろうか?彼はうちの屋敷にはいなかったはず。見たことないし。
「げっ、カルロ。何でいんだよー!邪魔すんなって」
「何を言ってるんだ。お前が彼の邪魔をしてるんだよ!」
もしかして、別人?
僕を知っているなら、普通に声をかけるはず。しかし、この二人は僕の顔を見ても名前を呼ばない。
すると、執事長が僕の方に顔を向けた。
「ごめんね。こいつにしつこく絡まれなかった?」
「あ、いえ、大丈夫です…!」
「お前が邪魔しなきゃいけたのにー」
「いけるか。調子に乗るな!ほら、行くぞ。リク達も待ってるんだから」
「仕方ねーな。…バイバイ。また会えたら、その時は付き合ってねー!」
執事長に服の首元を掴まれながら、ライ様は僕に手を振って去っていく。
一応、手は振り返しておいた。そしたら、ライ様はこっちに来たかったみたいだけど、執事長に更に首元を強く掴まれていた。
あの人、うちの執事長よりも容赦ないような…。
.
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しばし回っていたら、欲しい本が数冊増えてしまった。これでも減らしたのに、まずいな。これ以上は増やさないようにしなきゃ。よし、会計しよう。
そう考えていたら───
「なあ」
「はい?」
後ろから誰かに肩をたたかれた。
振り返ると、そこにいたのはライ様だった。
「ライ、様?」
「え、何で俺の名前、知ってんの?」
「え?僕は屋敷で…」
「うちの屋敷にいた?おっかしいなー。お前みたいなやついたら、すぐ俺の専属執事にすんのに」
専属執事??
何かライ様なのに、話が噛み合わないような気が。
しかも、目の前にいるライ様は元気で、具合が悪そうにも見えなかった。
僕が屋敷出る前に覗いてみたら、弱々しいライ様が執事長に「おれ、もうダメかも。カルロ、最後に一回だけ…」「何言ってるんですか。謹んでお断りします!!」といつものやり取りしてたけど。
「ま、いいや。ちょっと付き合えよ!」
「え…」
「こーら、ライ!」
ライ様に手を引かれた時、誰かがやって来た。振り返ると、そこにいたのは───
「執事長…?」
「………え」
僕の前にいたのは、執事長だ。私服でもキッチリと着ているのに随分とラフな格好。だが、彼も今日は仕事で屋敷にいるはずだ。
その少し後ろには、口元にホクロがある男の人が控えており、歳は僕と同じくらいだろうか?彼はうちの屋敷にはいなかったはず。見たことないし。
「げっ、カルロ。何でいんだよー!邪魔すんなって」
「何を言ってるんだ。お前が彼の邪魔をしてるんだよ!」
もしかして、別人?
僕を知っているなら、普通に声をかけるはず。しかし、この二人は僕の顔を見ても名前を呼ばない。
すると、執事長が僕の方に顔を向けた。
「ごめんね。こいつにしつこく絡まれなかった?」
「あ、いえ、大丈夫です…!」
「お前が邪魔しなきゃいけたのにー」
「いけるか。調子に乗るな!ほら、行くぞ。リク達も待ってるんだから」
「仕方ねーな。…バイバイ。また会えたら、その時は付き合ってねー!」
執事長に服の首元を掴まれながら、ライ様は僕に手を振って去っていく。
一応、手は振り返しておいた。そしたら、ライ様はこっちに来たかったみたいだけど、執事長に更に首元を強く掴まれていた。
あの人、うちの執事長よりも容赦ないような…。
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