Dangerous Surprise

「ああ。それはライなら、よくあることだよ?」

「え。よくあることなんですか?」


夜。
テラスにいたカルロ様に昼間あった話をしてみると、そう返ってきた。



「そう。あいつ、タイプなら見境なく抱くのは君も知ってるだろ?」

「そうですね。男女関係なくでしたね…」


理解はまったく出来ないけど。
逆にライ様のタイプじゃないのは、どういうタイプなの。それを知ったら、私もそうなるようにしたいわよ。廊下で会う度に「ハルクに内緒で部屋に来てよー」とか言ってくるんだから。
誰が行くのよ!あなたがタイプでも、私はあなたがタイプじゃない!ハッキリそう言っても全然聞いてくれないし。



「どんな相手でもヤッてる最中でも熱が冷めれば、途中で止めちゃうんだよ、ライは。ある意味、すごいよね…」

「カルロ様、言い方…」

「あ、ごめんね。女の子には向かない表現だった。反対にずっと冷めなければ、ずっとヤッてる場合もあるんだろうね。今のところ、そこまで夢中になる相手はいないみたいだけど」

「カルロ様、わざとですよね?少しは気を使っていただけるとありがたいんですが」

「ははっ、バレちゃったかな?でも、君ならライを夢中にさせる可能性があるかもしれないよ」

「は?」


いきなり何を言い出すのよ!この人は。私はお断りだってば。



「ライはね、女の子の名前を覚えないんだよ。一時的には覚えるけど、冷めたらもう一瞬で忘れる。一秒前に抱いた相手でさえもね。それなのにただのメイドである君の名前は覚えてる。今までなかったんだよ?」

「私は別にライ様に興味ありませんから」

「うん。知ってる。君はリクにしか興味ないからね」

「はい。なので、カルロ様にも興味はありませんので、どうぞご安心ください」

「清々しいくらいにハッキリ言うね」

「そこはハッキリ言っておかないといけませんから。お話を聞いていただきありがとうございます。それでは、失礼します」


頭を下げて、テラスから出る。さてと、お坊っちゃまのところに行かなくちゃ。そろそろ探しに来てしまう。



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