Dangerous Surprise




街から買い出しを終えて、屋敷に帰る途中、公園の近くを歩いていたら、いちゃつくカップルがいた。私と同じくらいに見えて、二人共制服を着ていた。高校生くらいだと思う。うわぁ…。
しかも、周りなど見えず、二人は互いしか見えてないようで、抱き合い、彼氏が彼女の体に触れて、いかにもしそうな雰囲気。

まさか、ここでしないわよね?外なんだし。というか、もう少し場所を考えなさいよね。公園は子供だっているんだから、何考えてるのよ。

いつまでもここにいないで早く帰ろう。そこをさっさと通り過ぎようとした。すると、あんなに彼女に夢中だった彼氏の方が急に熱から冷めたかのように彼女から離れた。



「……なーんか飽きた」

「え?ライ、何で?待って!」


呼び止める彼女の声も聞こえないかのように彼氏はこちらに振り向く。ライって、あのライ様!?向こうも私に気づいたのか、こちらに駆け寄って来る。



「あ、アリスじゃん!今帰り?なら、一緒に帰ろうぜー!」

「ライ様…」


やっぱりライ様だったのか。さっきまで一緒にいた彼女はいいのだろうか?
げっ。すごい顔でこっちを睨んでる!私が奪ったわけじゃないのに、怖いんですけど!!



「あの、あちらの方はいいんですか?」

「あちら?誰かいた?」

「え?今、一緒にいましたよね?」


いちゃついてたでしょ。人目をはばからずに…。見えてないわけないよね?幽霊じゃないんだから。
それなのに、ライ様はさっきまで一緒にいた女の子など、見えてないかのように話す。



「知らねー。それよりアリス、早く帰ろー!その荷物、持ってやろうか?」

「それは大丈夫です。って、ちょっ…押さないでください!」


ライ様に背中を押されて、その場を後にする。後ろは怖くて振り向けなかった。








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