Summer Story(前)
翌日。
お坊っちゃまの部屋にいつも通り向かった。
「おはようございます」
「……」
「お坊っちゃま?」
お坊っちゃまは、パジャマ姿でベッドの上で座り込んだままだった。私は近づいて、声をかける。
「お坊っちゃま?どうかしました??」
「アリスか。…てか、もう朝か」
「あれ。もしかして、寝られなかったんですか?」
「ああ。昨日行ったお化け屋敷が夢に出てきて、あとは…」
私の顔を見た後、何故か顔が真っ赤になっていた。え?お化け屋敷の夢を見たのなら、青くなるのに何で赤くなるの??
あ!あの幽霊に恋しちゃったとか!?変わっているなー。
「お坊っちゃま、あの幽霊を見て、恋しちゃったんですか!?」
「はあ!?何であんなのに恋するんだよ!バカ!」
「だって、顔が赤いですから」
「それはお前の胸……何でもねェよ!!」
そう言って、布団をかぶってしまった。
違うのか。幽霊に恋はやっぱりないか!すごい声で叫んでいたしね…。
「それより学校あるんですから、起きてください!遅刻しますよ!」
その後、お坊っちゃまを起こして、支度を手伝い、学校に行かせた。でも、私とは目を合わせてくれなかったのよね。
反抗期かな?
【END】