Summer Story(前)

青白く、恐ろしい形相の女の人が大きく描かれた看板。その下には沢山の人達の行列。実は私、いえ、私達もその列に並んでいます。私の隣にはお坊っちゃまもいますが、いつもとは違い、青ざめながら、私の腕を掴んでいます。まだ中に入ってないから、大丈夫なのに…。離してくれません。



「お坊っちゃま。前が進んでますから、動きますよ?」

「……うん」


もうお分かりかと思いますが、私達はお化け屋敷に来ています。私は行き先を教えてもらえず、ここに来てから知ったんですけどね。





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