R+?-R(ライ様)指定-

──ロッカールーム。
別の名を執事達の小部屋……
本日はアガットとアンバーの二人が仕事を終え着替えている。


「アンバー。たまには一緒に演劇でもどうだ?」
「むさいな……一人で行きなよ」
「寂しい事、言うなよ。な? ハルク様から頂いた、有難いチケットなんだぞ」


チケットを持つ、アガットの手は微かに震えている。


「……たかが演劇じゃないか」
「馬鹿にしてはいけないぞ! なんと……あ、R指定……」
「な、何?!」


アンバーの目の色が変わる。


「チケットの裏に英語で書いてあった……ハルク様は、この事実に気付いていない……」
「小学生のガキには、まだ早いな……だが、意外だな。アガットがこういうのを見たがるとは……」
「……正直言うと、初めてなんだ…………色々と溜まってんのかな、俺」


照れながら、アガットは言った。


「……なるほど、怖いもの見たさか」
「アンバーは慣れているじゃないか?」
「ま、まあね」
「流石はカルロ様の」
「って、おい! もうすぐ開演じかんじゃねーか!」


アガットとアンバーは身支度急ぎ、劇場へ走った。

会場は定員は約50人程の小さなホールだった。


「意外とこじんまりとしてるな。ツイてるな。最前列、ど真ん中が空いてる」


二人が席につくと証明が消え、プロジェクターが現れた。


「当劇場内は禁煙です。それから──」


ありきたりな劇場案内がはじまるかと思えば──


「──飲酒はご遠慮ください。それから……暑い……失礼しますね」


そう言って、画面に映る美女が服を脱ぎはじめた。


「ま、まさか……ス、ストリッ──」


鼻を押さえる二人。
──しかし


「ふぅ。暑かった……それでは続けます」


美女の服の下は服だった。
このやり取りが何度か続く。


「どんだけ厚着なんだよ、この女……」
「段々と慣れてきたのか……興奮しなくなってきたよ、アンバー」
「……知るか」


そして、ついにプロジェクターが消え……幕が上がる。


「ライ様セクシーショーにようこそ」






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