Women's Association

「今日もお疲れさま!」


飲み物が入ったグラスを手に私達は乾杯した。私達三人、明日はお仕事がお休みなのである。なかなか一緒の休みが合わなかったが、久しぶりに休みが合ったので、私の部屋に集まり、食事していた。
三人共、まだ成人してないからジュースなわけだけどね。

ベゴニアは二年前から邸で働いていて、スマルトは私と同期。メイド達は沢山いて、私達は同じ歳で気が合うからか、よくこの三人でいることが多い。
他にも同じ歳の子はいるけど、ここまでじゃない。苦手な子もいるし。





べ「夜も更けて来たことだし、秘密のお話でもしましょうか?」

ス「あんた、酔ってるの?」

べ「酔うわけないでしょ!これ、お酒じゃないし。炭酸飲料よ」

ア「あ、本当だ…」

べ「ここの兄弟の話でもしましょうか?カルロ、リク、ライ、タスク、ハルク、ドラ。さあ、誰がいい?アリスはリク様一択でつまんないから聞かない。スマルト、選んで」

ア「何で!リク様の話、聞きたい。私が入る前の話とか知ってるんでしょ!?」

べ「そりゃあね…。でも、面白い話は特にないし。リク様は出来すぎてる気がするのよね」

ア「出来すぎてる?」

べ「人間なんだから、少しは人間らしさって見えてもいいじゃない?けど、リク様はそれを見せないというか…」

ス「そう言われると、そうかもね。他の兄弟に比べると。リク様って優しいけど、一線を引いてるような感じもする…」

ア「そこが良いんじゃない。何をしても完璧にこなす姿勢。私はついて行きます!」

べ「だめだー。この子はリク様しか見えてないわ」

ス「アリスがリク様のお世話係になっていたら、危なかったわね。リク様、ぶっ倒れてたわよ」

べ「アリスはハルク様のお世話係が一番合ってるのよ…」

ス「カルロ様が言ってたらしいよ。二人のやり取り見て、漫才みたいって」

ア「私はお坊っちゃまと漫才なんてしてないわよ!」

べ「おねショタ好きのトープがあんた達を見ながら、「尊い…」って言いながら拝んでたわよ」

ア「意味わからないんだけど。おねショタって何?」

ス「年上のお姉さんと年下の男の子のことをそう差すんじゃない?トープがそんな説明してた気がする…」

ア「私、別にあの子のこと、何とも思ってないわよ?弟いたら、こんな感じくらいにしか…」

べ「アリスはそうだけど、あっちは違うでしょうね…」

ス「ハルク様、アリスがいないと邸内を探し回ってるわよ。アリスの姿を見つけると、嬉しそうにしちゃって、ああいうところは可愛い」

ア「そうかしら?私の顔を見るたび、これ食べたいってリクエストしてきて、うるさいわよ…」

べ「んー。昔に比べるとちょっと変わったかもね。ハルク様」

ア「そうなの?」

べ「昔、あんなにお菓子って騒ぐ子じゃなかったわよ。反抗期だったのか、もう暴れるわ、すぐ邸内からいなくなるわで、かなり手に負えなかったし。一時期、同級生を殴ったり蹴ったりして、毎日、学園に呼び出しを食らってたり、大変だったわよ…。それがいつだったか、ハルク様についてるアガットが見知らぬ人から手作りのお菓子もらってから変わったって…」

ス「手作りのお菓子??」

べ「アガットも詳しくわからないけど、そのお菓子もらってから、少しマシになったみたいよ。それでどっかの誰かさんがここで働くようになってからは、反抗期はピタリとおさまったんだって」

ア「どっかの誰かさん?私と同じ頃に来たメイドの子かな。誰だろう…」


いやいや、どっかの誰かさんはあんたでしょと2人は無言でアリスを見つめるが、アリスはまったく気づかない。



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