Swimming pool and Swimwear

「リク様」

「アリスさん」


反対側からアリスさんが歩いて来た。



「お部屋に戻られるんですか?」

「シャワー浴びてから戻ろうと思いまして。あ、ハルクなら談話室にいますよ?」


今行くと、明らかに危険だけど。もう違う話をしていたら平気だけど、どうだろうな…。



「いえ、今はお坊っちゃまを探してるわけではないので」

「あの、アリスさんって、泳げないんですか?」

「え?もしかして、お坊っちゃまから聞いて…」

「はい」


少し恥ずかしそうにしながら、アリスさんは言った。



「まったく泳げないわけじゃないんです!ただ苦手なだけというか…」

「僕も似たような感じですよ。でも、暑い日に入るだけなら好きなんですよね。プール」

「私もです!浮き輪とかに乗って、浮かぶだけなら好きです」

「わかります」


二人でついプールの話で盛り上がってしまった。まさか、アリスさんも僕と同じような考えを持っていたとは思わなくて…。

彼女と話すのは楽しい。本の話でも、プールの話でも気が合うから。だから、僕は彼女に対してだけはつい警戒を緩めてしまう。

彼女も僕と話すのが嬉しい。そう思ってくれるならいいな。






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