Lucky Pervert
寝坊した!!
朝、起きたら、部屋を出ないといけない時間に起きてしまった。慌てて支度して、お坊っちゃまの部屋へと走る。
まずい!まずい!!
「すみません!遅くなりました!!」
ドアを開けると、そこにいたのはお坊っちゃまではなく―――
「え、アリスさん…?」
「リク様!?」
リク様がいた。
しかも、着替えの途中だったらしく、上半身は裸だった。私は自分の間違いにようやく気づく。ここじゃない!!間違いとリク様の着替えを見てしまったことで、顔が真っ赤になる。
「ごめんなさい!部屋を間違えました!失礼しました!!」
急いでドアを閉めた。私、何で間違えたの!?よりにもよって、リク様の部屋に行っちゃうなんて。しかも、着替え中に…。絶対に変態だと思われた!最悪だ。
足取り重く、お坊っちゃまの部屋に向かう。はあ。
ドアを開けて、下を向いたまま、部屋に入る。
「すみません。遅くなりました…」
あれ。やけに静かだな。私が遅れて来ると、いつもお坊っちゃまが文句を言うのに…。
そう思いながら、顔を上げると―――
「アリス?」
「何してんすか?」
「……………あれ?」
いたのは、タスク様とメイズ。
しかも、タスク様の着替えの最中で、またも上半身は裸で、横にいるメイズがタスク様のワイシャツを手に持っていた。
しまった。また間違えちゃってるし、また着替え中に入っちゃってる!!
「すみません!間違えました!!」
頭を下げて、部屋から出た。
何やってるんだ、私。二連続で着替え中に入っちゃったし。こんなハプニングは求めていない!
その後はちゃんとお坊っちゃまの部屋を確認してから入った。
「おはようございます。遅くなってすみません」
「来るの遅ェよ!アリス」
良かった。
お坊っちゃまはちゃんと着替え終わっていたわ。私は胸を撫で下ろす。
「ったく、遅刻だぞ!」
「はい。申し訳ございません。以後、気をつけます…」
私が素直に謝ると、お坊っちゃまはよほど驚いたのか、不思議そうな顔で呟く。
「変なもんでも食ったわけ??」
「お坊っちゃま、そんなこと言ってはだめですよ」
「だって、いつもなら…」
お坊っちゃまはそんなこと言っていたが、アガットさんは心配そうに声をかけてくる。
「アリスさん。どうかしたんですか?」
「何でもありません…」
言えない。自分の恥を晒すだけだし。これは黙っておくに限る。ごめんなさい。アガットさん。心配してくれたのに…。
「アリスさん。もしかして、寝坊しました?」
「え?」
「ここの髪が元気よく跳ねてます」
アガットさんに指摘され、鏡を見る。言われた通りに髪が跳ねていた。私、このままの状態でリク様の部屋やタスク様の部屋に行っちゃったの!?恥ずかしい!!
「今すぐに直してきます!」
そう言って、お坊っちゃまの部屋を出た。もう朝から最悪のスタートだ!
しかし、私の受難は始まったばかりだった…。
午後。
天気が良かったからか、洗濯物はいつもより早く乾き、早めに取り込まれた。お坊っちゃまの分の洗濯物を受け取り、部屋に向かおうとしたが、ついでにライ様の分の洗濯物を届けて欲しいと頼まれてしまった。
ライ様の執事は、今いないのよね。あの人、好みだーって襲ってばかりいるから、皆なりたがらないのよ。メイドの間でもかなり好き嫌いがハッキリ別れてるし。カルロ様親衛隊は、特にライ様のことは好きじゃないからね。でも、ライ様のこと好きなメイド、いるにはいるけど。魅力がわからない。
「ライ様」
ドアをノックするが、出て来ない。おかしいな。帰って来てるはずなのに…。
仕方ない。部屋に置いておこう。ライ様のは既にたたまれてあるし。廊下にお坊っちゃまの分の洗濯物が入った籠を一旦置き、中に入る。
「失礼しまーす」
幸い、鍵はかかっていない。でも、不用心だな。いないなら、鍵かけていた方がいいのに。
と、何かに足を取られて、私は転んでしまった。
「痛たたた…」
もう何。この部屋、散らかし過ぎじゃない!床に色々なおもちゃや服などが落ちていた。
片づける人もいないのかしら。片づけるくらいなら誰かに頼めばいいのに…。
というか、何か柔らかいんだけど、床ってこんなに柔らかくないわよね?何で??
下を見ると、ライ様がいた。
「っ!!?」
「随分大胆じゃん。アリス」
「いや、これは不可抗力です!わざとじゃありませんから」
どうやら私が転んだ際にライ様の上に乗ってしまったらしい。けど、どうして床に寝転んでいるの!
「今日はアリスの方から来てくれんだー?」
「は?」
いやいや、何言ってるんだ!!私はライ様に興味などない。急いでライ様の上からどいて立ち上がる。すると、スカートをめくられた。
「ちょっと何するんですか!?」
「下着、見ただけじゃん。アリスはどんなのはいてんのかと思って」
「やめてください!」
「下着を見るくらいいいじゃん。減るもんじゃねーし。……ピンクか」
しっかり見てるし!最低だ!!
「洗濯物、届けましたからね!失礼しました!!」
床に落ちてしまったが、私は悪くない!そして、私はライ様の部屋を出た。
はー。朝に続いて、またもやってしまった。また問題を起こす前に早く戻ろう。廊下に置いた籠を持って、私はお坊っちゃまの部屋に向かった。
洗濯物をたたんで、下着類は引き出しにしまい、洋服はすべてハンガーにかけて、クローゼットの中にしまう。
お坊っちゃまは珍しく机で宿題に取り組んでおり、それをアガットさんが教えていた。邪魔するのも悪いから、私は洗濯室に籠を返しに行ってこよう。
数分後。
籠を返して、お坊っちゃまの部屋に帰る途中に他のメイドに声をかけられた。
「アリス。丁度良かった!バスルームのタオルが少なくなってるから補充してくれる?私、書斎の片付け頼まれてて、行けないのよ」
「わかりました。今、誰もいないですよね?」
「さっき、ドラ様がシャワー使って出たのを見たからいないはずだよ。ちょっと多いけどよろしくね」
前が見えない。でも、何とか運べるからいいか。
よし。誰かが入る前に補充しておこう。タオルを抱えて、バスルームに向かう。
早速、辿り着き、バスルームに入る。タオルで前がよく見えないが、取りあえずタオルがしまってある棚の前に着いた。棚を開けると、タオルが一枚もない。あれ?ない。もしかして、ドラ様が使った分が最後だったのかな。でも、次の人が使う前で良かった。私は素早くタオルを補充し終えた。
さて、お坊っちゃまのところに帰ろう。そう思いながら、振り返ると半裸のカルロ様がいた。
「っ!!?」
「やっぱり気づいてなかったんだね」
「え、いました!?」
「俺、最初からいたんだけどね。ビックリしたよ。いきなりドアが開いたと思ったら、君が入って来るからさ」
「すみません。カルロ様の姿、見えてなかったみたいです…」
「君の場合はわざとじゃないのはわかってるから」
それって、よくわざと入って来る人がいるってことよね?
「カルロ様とわかって入って来る人がいるんですか?」
「今はいないけど、前にそういうことが何度かあったんだよね…」
「ライ様みたいな人がいるんですね」
「そうだね。バスルームはまだいい方かな。ベッドにまで入り込んで来た娘もいたから」
怖っ!そこまでして、相手してもらいたいのか。私でもリク様に迷惑かけるようなことはしないわ。嫌われたくないし!
流石にリク様のベッドになんて潜り込める勇気はないけど。そんな勇気いらないか。
「部屋の鍵、それでしっかりとつけるようになったんだよ」
「前はついてなかったんですか?」
「簡単なのはついてたけど、意外にすぐ開いちゃうみたいでね。ボルドーが頭を抱えてたよ」
そうなんだ。
ふとカルロ様がジッと私を見ていた。
「アリスがいると、服を脱げないんだけど。なんなら、一緒に入る?」
「は、入りません!!失礼しました!」
足を踏み出した瞬間、私は何かに足を取られて、体勢を崩し、その場に倒れた。
倒れたのに痛くない?あれ?と思いながら、目を開けると、カルロ様を下敷きにしていた。近い!しかも、体に触っちゃってるし!良い体してる…って、私は変態か!
「今まで女の子を押し倒したことはあるけど、反対に押し倒されたのは初めてかな。面白いね」
「関心してる場合じゃないです!あとわざとありませんからね?」
私がカルロ様を押し倒しているみたいじゃない!?しかも、鎖骨辺りのところに私の口が当たったせいか、赤い痕がついてしまった。こ、これ、見ようによってはキスマークみたいに見えるのでは…?
「あ、あ、あ、あ、あの、カルロ様。何と言ったらいいかわからないのですが、取り合えずごめんなさい!」
「ははっ、俺の初めてを奪っていったね。しかも、二つも」
「その言い方は違います!そもそも奪ってませんよ!」
「押し倒されたことと、俺の体にキスマークつけたでしょ。こんなキスマークをつけられたのは初めてだよ。もっとつけてみる?」
笑みが色気ありすぎてやばい。何なの?その色気はどこから来るわけ!?怖い!!
「しません!失礼しましたあああ!!」
私は顔を真っ赤にしながら、カルロ様の上から退いて、慌ててバスルームを出た。
今のは絶対にからかわれた!今日、本当に厄日だよ!これは早めに部屋に帰らないとだわ。
廊下を歩いていたら、微かに音が聞こえた。その音はドラ様が作ったお掃除ロボットのもの。もしかして、部屋から操作してるのかな。そう思いながら、通り過ぎた。
ん?何か変な音がする。何の音…?
下を見ると、ドラ様の作ったお掃除ロボット。ゴミを吸い込むはずなのに、何故か、私のスカートが巻き込まれていた。
「えぇっ、ちょっと…!」
何で!?必死にロボットからスカートを引っ張ってみるが、ますます吸い込まれていく一方。どうしよう。ドラ様のロボットを壊すわけにはいかないし。でも、このままじゃスカートが破けちゃう!
「だ、誰か助けて!」
「アリス。何して…!?」
そこへお坊っちゃまが部屋から出てきた。
.
朝、起きたら、部屋を出ないといけない時間に起きてしまった。慌てて支度して、お坊っちゃまの部屋へと走る。
まずい!まずい!!
「すみません!遅くなりました!!」
ドアを開けると、そこにいたのはお坊っちゃまではなく―――
「え、アリスさん…?」
「リク様!?」
リク様がいた。
しかも、着替えの途中だったらしく、上半身は裸だった。私は自分の間違いにようやく気づく。ここじゃない!!間違いとリク様の着替えを見てしまったことで、顔が真っ赤になる。
「ごめんなさい!部屋を間違えました!失礼しました!!」
急いでドアを閉めた。私、何で間違えたの!?よりにもよって、リク様の部屋に行っちゃうなんて。しかも、着替え中に…。絶対に変態だと思われた!最悪だ。
足取り重く、お坊っちゃまの部屋に向かう。はあ。
ドアを開けて、下を向いたまま、部屋に入る。
「すみません。遅くなりました…」
あれ。やけに静かだな。私が遅れて来ると、いつもお坊っちゃまが文句を言うのに…。
そう思いながら、顔を上げると―――
「アリス?」
「何してんすか?」
「……………あれ?」
いたのは、タスク様とメイズ。
しかも、タスク様の着替えの最中で、またも上半身は裸で、横にいるメイズがタスク様のワイシャツを手に持っていた。
しまった。また間違えちゃってるし、また着替え中に入っちゃってる!!
「すみません!間違えました!!」
頭を下げて、部屋から出た。
何やってるんだ、私。二連続で着替え中に入っちゃったし。こんなハプニングは求めていない!
その後はちゃんとお坊っちゃまの部屋を確認してから入った。
「おはようございます。遅くなってすみません」
「来るの遅ェよ!アリス」
良かった。
お坊っちゃまはちゃんと着替え終わっていたわ。私は胸を撫で下ろす。
「ったく、遅刻だぞ!」
「はい。申し訳ございません。以後、気をつけます…」
私が素直に謝ると、お坊っちゃまはよほど驚いたのか、不思議そうな顔で呟く。
「変なもんでも食ったわけ??」
「お坊っちゃま、そんなこと言ってはだめですよ」
「だって、いつもなら…」
お坊っちゃまはそんなこと言っていたが、アガットさんは心配そうに声をかけてくる。
「アリスさん。どうかしたんですか?」
「何でもありません…」
言えない。自分の恥を晒すだけだし。これは黙っておくに限る。ごめんなさい。アガットさん。心配してくれたのに…。
「アリスさん。もしかして、寝坊しました?」
「え?」
「ここの髪が元気よく跳ねてます」
アガットさんに指摘され、鏡を見る。言われた通りに髪が跳ねていた。私、このままの状態でリク様の部屋やタスク様の部屋に行っちゃったの!?恥ずかしい!!
「今すぐに直してきます!」
そう言って、お坊っちゃまの部屋を出た。もう朝から最悪のスタートだ!
しかし、私の受難は始まったばかりだった…。
午後。
天気が良かったからか、洗濯物はいつもより早く乾き、早めに取り込まれた。お坊っちゃまの分の洗濯物を受け取り、部屋に向かおうとしたが、ついでにライ様の分の洗濯物を届けて欲しいと頼まれてしまった。
ライ様の執事は、今いないのよね。あの人、好みだーって襲ってばかりいるから、皆なりたがらないのよ。メイドの間でもかなり好き嫌いがハッキリ別れてるし。カルロ様親衛隊は、特にライ様のことは好きじゃないからね。でも、ライ様のこと好きなメイド、いるにはいるけど。魅力がわからない。
「ライ様」
ドアをノックするが、出て来ない。おかしいな。帰って来てるはずなのに…。
仕方ない。部屋に置いておこう。ライ様のは既にたたまれてあるし。廊下にお坊っちゃまの分の洗濯物が入った籠を一旦置き、中に入る。
「失礼しまーす」
幸い、鍵はかかっていない。でも、不用心だな。いないなら、鍵かけていた方がいいのに。
と、何かに足を取られて、私は転んでしまった。
「痛たたた…」
もう何。この部屋、散らかし過ぎじゃない!床に色々なおもちゃや服などが落ちていた。
片づける人もいないのかしら。片づけるくらいなら誰かに頼めばいいのに…。
というか、何か柔らかいんだけど、床ってこんなに柔らかくないわよね?何で??
下を見ると、ライ様がいた。
「っ!!?」
「随分大胆じゃん。アリス」
「いや、これは不可抗力です!わざとじゃありませんから」
どうやら私が転んだ際にライ様の上に乗ってしまったらしい。けど、どうして床に寝転んでいるの!
「今日はアリスの方から来てくれんだー?」
「は?」
いやいや、何言ってるんだ!!私はライ様に興味などない。急いでライ様の上からどいて立ち上がる。すると、スカートをめくられた。
「ちょっと何するんですか!?」
「下着、見ただけじゃん。アリスはどんなのはいてんのかと思って」
「やめてください!」
「下着を見るくらいいいじゃん。減るもんじゃねーし。……ピンクか」
しっかり見てるし!最低だ!!
「洗濯物、届けましたからね!失礼しました!!」
床に落ちてしまったが、私は悪くない!そして、私はライ様の部屋を出た。
はー。朝に続いて、またもやってしまった。また問題を起こす前に早く戻ろう。廊下に置いた籠を持って、私はお坊っちゃまの部屋に向かった。
洗濯物をたたんで、下着類は引き出しにしまい、洋服はすべてハンガーにかけて、クローゼットの中にしまう。
お坊っちゃまは珍しく机で宿題に取り組んでおり、それをアガットさんが教えていた。邪魔するのも悪いから、私は洗濯室に籠を返しに行ってこよう。
数分後。
籠を返して、お坊っちゃまの部屋に帰る途中に他のメイドに声をかけられた。
「アリス。丁度良かった!バスルームのタオルが少なくなってるから補充してくれる?私、書斎の片付け頼まれてて、行けないのよ」
「わかりました。今、誰もいないですよね?」
「さっき、ドラ様がシャワー使って出たのを見たからいないはずだよ。ちょっと多いけどよろしくね」
前が見えない。でも、何とか運べるからいいか。
よし。誰かが入る前に補充しておこう。タオルを抱えて、バスルームに向かう。
早速、辿り着き、バスルームに入る。タオルで前がよく見えないが、取りあえずタオルがしまってある棚の前に着いた。棚を開けると、タオルが一枚もない。あれ?ない。もしかして、ドラ様が使った分が最後だったのかな。でも、次の人が使う前で良かった。私は素早くタオルを補充し終えた。
さて、お坊っちゃまのところに帰ろう。そう思いながら、振り返ると半裸のカルロ様がいた。
「っ!!?」
「やっぱり気づいてなかったんだね」
「え、いました!?」
「俺、最初からいたんだけどね。ビックリしたよ。いきなりドアが開いたと思ったら、君が入って来るからさ」
「すみません。カルロ様の姿、見えてなかったみたいです…」
「君の場合はわざとじゃないのはわかってるから」
それって、よくわざと入って来る人がいるってことよね?
「カルロ様とわかって入って来る人がいるんですか?」
「今はいないけど、前にそういうことが何度かあったんだよね…」
「ライ様みたいな人がいるんですね」
「そうだね。バスルームはまだいい方かな。ベッドにまで入り込んで来た娘もいたから」
怖っ!そこまでして、相手してもらいたいのか。私でもリク様に迷惑かけるようなことはしないわ。嫌われたくないし!
流石にリク様のベッドになんて潜り込める勇気はないけど。そんな勇気いらないか。
「部屋の鍵、それでしっかりとつけるようになったんだよ」
「前はついてなかったんですか?」
「簡単なのはついてたけど、意外にすぐ開いちゃうみたいでね。ボルドーが頭を抱えてたよ」
そうなんだ。
ふとカルロ様がジッと私を見ていた。
「アリスがいると、服を脱げないんだけど。なんなら、一緒に入る?」
「は、入りません!!失礼しました!」
足を踏み出した瞬間、私は何かに足を取られて、体勢を崩し、その場に倒れた。
倒れたのに痛くない?あれ?と思いながら、目を開けると、カルロ様を下敷きにしていた。近い!しかも、体に触っちゃってるし!良い体してる…って、私は変態か!
「今まで女の子を押し倒したことはあるけど、反対に押し倒されたのは初めてかな。面白いね」
「関心してる場合じゃないです!あとわざとありませんからね?」
私がカルロ様を押し倒しているみたいじゃない!?しかも、鎖骨辺りのところに私の口が当たったせいか、赤い痕がついてしまった。こ、これ、見ようによってはキスマークみたいに見えるのでは…?
「あ、あ、あ、あ、あの、カルロ様。何と言ったらいいかわからないのですが、取り合えずごめんなさい!」
「ははっ、俺の初めてを奪っていったね。しかも、二つも」
「その言い方は違います!そもそも奪ってませんよ!」
「押し倒されたことと、俺の体にキスマークつけたでしょ。こんなキスマークをつけられたのは初めてだよ。もっとつけてみる?」
笑みが色気ありすぎてやばい。何なの?その色気はどこから来るわけ!?怖い!!
「しません!失礼しましたあああ!!」
私は顔を真っ赤にしながら、カルロ様の上から退いて、慌ててバスルームを出た。
今のは絶対にからかわれた!今日、本当に厄日だよ!これは早めに部屋に帰らないとだわ。
廊下を歩いていたら、微かに音が聞こえた。その音はドラ様が作ったお掃除ロボットのもの。もしかして、部屋から操作してるのかな。そう思いながら、通り過ぎた。
ん?何か変な音がする。何の音…?
下を見ると、ドラ様の作ったお掃除ロボット。ゴミを吸い込むはずなのに、何故か、私のスカートが巻き込まれていた。
「えぇっ、ちょっと…!」
何で!?必死にロボットからスカートを引っ張ってみるが、ますます吸い込まれていく一方。どうしよう。ドラ様のロボットを壊すわけにはいかないし。でも、このままじゃスカートが破けちゃう!
「だ、誰か助けて!」
「アリス。何して…!?」
そこへお坊っちゃまが部屋から出てきた。
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