Him and Her
さて、次はこっちを見てみよう。
さっきとは違うエリアにあるショップを巡り、雑貨店に入った。店内にある小物やアクセサリーなどを見て回る。そこで可愛いヘアゴムを見つけて、つい買ってしまった。
更にまた違う雑貨屋で、ベゴニアに似合いそうなピアスを発見。そういえば、来月にベゴニアが誕生日だったな。よし、これをプレゼントしよう!
それを手に取っていたら、反対側の方から声が聞こえた。
「私、新しいピアス欲しいんだ!でも、自分で選ぶと似たようなのばっかになって~。どれがいいかな?」
「うーん。お前なら、このピアスがいいんじゃね?」
「えー?これ、意外!私の中では選ばない感じのだし」
「こういうのも似合うと思うぜ?買ってやるよ」
「ホント?ありがとう!」
「今度会う時、つけろよ?」
「うん!」
制服を着たカップルが一緒にピアスを見て、彼氏が選んであげて、それを買ってあげるんだと思いながら見てたら、それがスミレ様だった!
つい隠れながらも覗き見してしまったわ。制服姿なのは、学校帰りか。
一緒にいた女の子は、明るい感じの可愛らしい子だった。並ぶとお似合いのカップルにも見えた。スミレ様、猫かぶってるみたい。カメリア様の時とは、全然違ってたし。
しっかし、意外にセンスは、あるんだな…。ドルチェ家で、良い物は沢山見てそうだしな。まあ、目は肥えていても、センスが壊滅的な人もいるけども。
スミレ様がいなくなったら、私もレジに行こう。
姿を見送ってから私もようやくレジに行き、ラッピングを頼んで、支払いを済ませた。これで来月が楽しみだ。
それにしても皆、女の子を連れていたわね。顔はいいからな…。一人でいても、逆ナンとかされそう。
「ねぇ。暇なら、遊ばない?」
「えー。どうすっかなー?」
「私達と楽し~い遊びしたくない?」
「勿論、してー!ヤリてー!」
あれは、ライ様じゃないの!
こっちも制服を着てるから、学校帰りか。スミレ様も制服だったしな。
てか、逆ナンされてる!?
あの容姿だから、無理もないか…。ライ様を逆ナンしてきたのは、二人組の遊んでそうな少し年上のキレイなおねーさん達。
ライ様の見た目に騙されてますよ!おねーさん方。その人はヤバイ男です!声をかけたことを後悔するかもしれません!
そんな私の心の声など二人には届かない。むしろ、二人は両サイドからライ様の腕に絡みつく。
「なら、一緒に行こーよ!」
「そうだよ!行こー!」
「いくいくー!」
三人はその場からいなくなった。
姿を見送り、私は思った。
ライ様、今日は帰って来ないだろうな。明日も学校だから、朝帰りか。直接、学校に行くのかな。一応、帰ったら、メイド長には伝えておこう。
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