Him and Her




それから色々なショップを見て回ったら、お腹が空いた。スマホを見れば、14時を過ぎていた。丁度近くに行ってみたかった純喫茶があったので、そこに入ることにした。

ピークを過ぎたせいか、混んでおらず、すぐ席に案内された。平日だからかな。

メニューを見れば、名物のチョコレートパフェがある。これは食後に食べるとして、まずはランチだ。


「すみませーん!」

食べたいものが決まり、私は手を上げて、店員さんを呼ぶと、すぐに来てくれて、注文を頼んだ。

数十分後。

ランチを食べ終えて、セットについたアイスティーを飲んでいた。次は待望のチョコレートパフェだー!ワクワクしながら、待っていると、私の座る席の後ろのボックス席に店員さんがお客さんを案内してきた。


「リリカ、お腹すいちゃった~!ねぇ、何食べる~?」

やけに舌ったらずで、甘ったるい声を出した女の子の声が聞こえてきた。誰かと来たのか、相手に聞いてるようだ。相手は、絶対に男よね…。

そう考えていた時───


「お待たせ致しました。チョコレートパフェです」

「(ФωФ)+」

私のところに待ちに待ったチョコレートパフェが運ばれてきた。キター!写真よりも大きい!お坊っちゃまもこれを見たら、間違いなく食べたがるわ。店員さんが去り、私はパフェ用のスプーンを取って、一口分取ると、口に入れる。

おいしい!最高!
幸せを感じながら、パフェをパクパク食べてると、またしても背後の声が聞こえた。


「ねぇ~。リリカ、パフェが食べた~い!」

「いいんじゃない?ここのチョコレートパフェは有名だし」

「一人じゃ食べられな~い。カーくんも一緒に食べて~?」

「それなら、こっちの小さいサイズを頼んだら?」

「え~。これじゃあ、パッとしないじゃん!こっちがいい~!てか、カーくんはリリカと間接キスしたくないの~?」

あざとい女の子だな……………ん?
今、聞き覚えのある声がしたような。というか、カーくん??


「リリカ。お腹すいたんでしょ?決まったなら、もう注文するよ」

「え~。待って!リリカ、まだ決めてな~い!」

「ゆっくり決めていいよ。リリカが決めるまで、待ってあげるから」

「カーくん。超優しい~!大好き~!!」

この声、カルロ様じゃないの!

一緒にいる女の子は彼女……なわけないか。遊び相手の一人か。私には関係ないから、さっさとパフェを食べて出よう。長居は無用と、残りのパフェを食べる。

会計をしている時、席の方を見れば、やはりカルロ様がいた。一緒にいる女の子は、いつものようなキレイ系のおねえさんやギャルではなく、地雷系ファッションを身に纏っていた。傾向がいつもと違う。可愛い顔はしてたけど。

見ていたら、私に気づいたのか、こちらに小さく手を振ってきた。私は軽く会釈だけ返して、その店から出た。



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