Little Princess
「──そっか。小さくなっちゃったから、出て来れなかったんだ」
「すみません…」
「それにしても……よっ、と」
抱き上げられたと思ったら、カルロ様の膝の上に乗せられる。
「カルロさま!」
「軽いね。うちは男ばっかだったから、女の子は新鮮だねー。洋服も似合ってるし、可愛いね」
頭を撫でないで。体は子供でも中身は17なんですから!
「なでないでください!」
「可愛い」
「ちょっと!」
「そうやってると親子みたいだね」
「俺まだ21だよ。そこまで歳取ってるつもりないけど」
「でも、兄妹というより、親子って方が合ってるよ。カルロ兄さん」
「だってさ。アリス。俺の子供になる?」
「ごえんりょさせていただきます!」
もしなるなら、リク様の子供がいいわよ!
リク様を見ると、にこっと笑いかけてくれた。私は恥ずかしくなって俯く。
「小さくなっても、変わらないね…」
「本当。きっと、アリスさんは小さな頃から純粋だったんだね」
リク様に頭を撫でられる。
もう……死んでもいい……
夢なら覚めないでほしいけど……
「それはそうと、元に戻るまで、誰が面倒見るの?」
「うーん、ここはアリスさんと仲がいいメイドに頼ん…」
「オレが見る!」
お坊っちゃまが手を上げるが、すぐに却下される。
「だめだよ。お前には無理」
「何で!?」
「アリスに見てもらってるやつが見られるわけないだろ。やっぱりここは…」
「!」
すると、お坊っちゃまがカルロ様の膝の上にいた私を抱き上げ、走り出す。
「ちょっと、おぼっちゃま!?」
「……」
返事してよ。てか、怖い!転んだりしたら、危ない。
「あらら。拐われちゃった」
「兄さん。あんなこと言えば、余計にハルクが意固地になるだけだよ」
「カルロとアリスが親子って言われてた時からすげー顔で睨んでたよ。ハルク」
「よっぽど気に入らなかったんだろうね…」
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