Little Princess




「………ん」

目を覚ますと、誰かの顔があった。
って、お坊っちゃま!?
何でおぼっちゃまがいるの!?逃げなくちゃ。私は慌てて起き上がり、逃げ出そうとした。

「あ、待て!」

「お前、誰?何でここにいるんだよ!?」

「いたい!はなしてください!」

子供の力だと侮っていたら、すごく痛い。お坊っちゃま、容赦しなさすぎる。私、今あなたより小さいんですよ!手加減、覚えて!


「言わねェなら、警察呼ぶぞ!」

「ハルク、何してんの?」

「タスク兄!コイツが勝手にうちの屋敷内に入ってて…」

「アリス。外に出てたんだ」

「アリス?」

私とタスク様を見比べるお坊っちゃま。

「お前が今捕まえてるのがアリスだよ。ドラの実験薬を飲んで小さくなっちゃったんだって」

ちょ……タスク様!?
普通にバラしてますけど!?

「は?アリスがこんな小さいわけねェし。しかも、この服、どっかで見たような…」

「服はリコリスにもらった。着せてみたら、リコリスに少し似てるから妹みたいじゃね?さっき、リコリスにアリスの写真を見せたら、「可愛い!是非会いたいわ」って言ってたから、会わせようと思って、リコリスの予定を聞いてるところ。お揃いの服を着させたいって」

ちょっと待って。それはお人形にされそうな未来しか見えない!

「それまでにもどりたいんですが…」

「だめだめ。リコリスと会わせるまで元に戻らないで」

「えー」

「ふざけんなよ、タスク兄! アリスはタスク兄のものじゃないだろ!」

お坊っちゃま……
なんだか見直しました!

「撮った写真」

「え?」

「お前の為に写真集にしてんだけど?」

「アリス。数分だけでいいから、タスク兄に付き合ってやれよ」

「えぇっ!?」

前言撤回。
お坊っちゃまの人でなしー!

「とにかく、ハルクは信用してるってこと。兄弟で信用ならないやつもいるからな」

「大丈夫だと思う。さっき誘惑下着を大量に買い込むって、ワケの分かんないこと言って出ていったから」

「……暫くは帰ってこないな、それ」

そんなやり取りの中、ふと屋敷を見上げる。
するとカルロ様が中から手招きをしていた。



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