Little Princess
「どらさまー!」
数分後、目を覚ましたものの何だか身体がふわふわしてる。
薄いドレスもいつの間に着たのか……
「わたし、なんかへんなんですが」
「うん。オレより小さくなってる。ほら」
鏡を見せられた。そこに映っていたのは、幼い私だ。ドラ様より小さいし。見た目は小学生に上がる前くらいか。
しかもドレスじゃなく下着だった。
「まずいです。このからだじゃしごとができません!」
「そのままでいいんじゃね? なんか萌えるし」
「よくないです!まずい!おぼっちゃまたちにしられたら…」
考えただけで恐ろしい!
「きっとアリスで遊ぶヤツは出るだろうね…」
「そうですよね。バレないようにしなくちゃ」
「取りあえずボルドーとサルファーには話してくる。あとはオレが薬を完成させるまでは、あまりここから出ない方がいいよ。その姿を見られたくないんでしょう?」
「そうですね」
幸い、トイレとお風呂などの心配はない。
この部屋にあるみたいで、ドラ様も使っていいとおっしゃってくれたから。
服はドラ様のを借りたけど、少し大きいのよ。でも、自分のを着るよりはマシなんだけど。
問題は下着。流石にドラ様のははけないし、男女で違うから。どうしよう。流石に何も穿かないのも抵抗が…。
「ドラー」
そこにノックもせずに入ってきたのは、タスク様。突然だったので隠れる余裕もなくて。
「ん?誰…」
「わたしは…」
「タスク。オレに用なんでしょ?何?」
ドラ様が私を隠すようにタスク様の前に出てくれたが、明らかにドラ様の後ろの私に視線が向いてる。
「そこにいるのアリスだろ?」
「……」
「ハルクがアリスがいないって、すげーうるさいんだけど」
はっ!忘れてた。
時間を見れば。お菓子を作る時間が過ぎている。でも、この姿じゃ作れない!どうしよう。
「そんな姿になってれば来れないよな。自分が世話する相手よりも小さくなってんだし」
「……」
「服も合ってないじゃん」
「それ、オレの服だし。今のアリスに合う服なんて持ってないから」
「ふーん。服はオレが何とかしてあげようか?」
「え?」
「リコリスなら昔の服とか持ってるだろうし。連絡してきてあげる」
そう言って、タスク様は出て行った。
「だいじょうぶですかね?」
「わかんねー。でも、タスクがメリットもなく、動くわけないと思う」
「たしかに…」
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