Phantom Thief“K”
数時間後。
スミレはカルロと同じベッドに入り、寝息を立てていた。
「カールロ。来たわよ」
仮面をつけ、露出が多めな服を着たカメリアが布団に忍び込む。
「おれも、おれも」
ライもまた、カメリアに続く。
「あら?……いない?」
「そんな容易く襲えると思うなってこと」
「! カルロ……いつの間に!?」
カルロは布団の上から、怪盗Kを捕らえた。
「捕まえたよ?」
「……いいわ、あたしを好きにして」
そう言うと、怪盗Kは服を脱ぎ始める。
「いや、そういうことじゃない……」
動揺するカルロの隙をついて、怪盗Kは布団から抜け出す。
「しまっ──」
「今度は、あたしの番ね」
カメリアは身を翻しながら、服を脱ぎ捨てていく。
「……くっ!」
カルロは怯むことなく、怪盗Kから逃れる。
「あん! もう! 逃げないでヤられなさいよ!」
「夜這いなんて野暮な真似はやめて、正々堂々と来たらどうです?」
「正々堂々となら、襲われてくれるのかしら?」
「はい、大歓迎です! 本命の次になら」
「おい、スミレ! そんなこと言ってると、またヤられ──」
カルロが振り向くと、スミレは既に怪盗Kに襲われていた。
「……ったく、一目を気にしてくれ…………今回も我々の負けだね……」
そう言うと、カルロはライのパンツを投げ捨てた。
ライがそれをしっかりキャッチして、匂いを確かめる。
「うげ、くっせ……洗濯してくれてねーじゃん!」
折角、盗んだ(取り返した?)ものは直ぐにゴミ箱行きになったのだとか。
END.
(2024.04.24)