Phantom Thief“K”
一方のカメリアは──
「あぁ、楽しいわ! 流石はライね」
「だろ? スリル満点でゾクゾクすんだろ?」
「ええ。ただヤるだけより興奮する」
そう言って、カメリアはライにキスをする。
「そんでもって、一仕事の後もまた格別」
「本当」
カメリアは服を脱ぎ捨て、ライに跨がる。
「…………あら?」
「ん? どうかしたか?」
「見慣れない下着ね」
カメリアはライのズボンを下げ、まじまじと下着を見る。
「これ、カルロのだ」
「ええっ!? どうしてライが履いてるのよ!」
「この前、ヤった男が間違えておれの履いて帰りやがってさ」
「ソレとコレと関係あるの?」
ライは溜め息一つ、口を開く。
「そいつの小さくてさ……」
「萎える話はやめて」
「かくかくじかじかでカルロの借りたんだよ」
「肝心なところ、省略したわね……けど、ソレ……欲しいなぁ」
上目遣いでライを見る、カメリア。
「いいけど?」
「本当!? ありがとう」
「もうおれの同然だし」
「……どういうこと?」
「形も匂いも、おれに染まってるってこと」
「カルロの要素ないじゃない」
「だから、あげてもいいってことな」
カメリアはライからパンツを奪うと、ゴミ箱に投げ捨てた。
「おい、何す──」
「予告状よ」
「は?」
「カルロがライの忘れたのを履いてるかも知れないでしょ?」
──そんなわけあるか。
「……確かに」
──お前じゃあるまいし。
「履いてるのを奪う!? きゃあ! 何て破廉恥!? 奪いながら襲えちゃう!」
「おれもまざ──」
「いいわね、それ! 見張り役!」
「はい?」
「あ、撮影役? やだ、もう! セクシー女優もやれちゃうなんて」
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