Oblique Face
ある日の夕食。
ライは食事をしながら、話し始めた。
ラ「俺、こないだ好みのやつを見つけたんだー」
リ「え?それはいつもじゃないの?ライ」
ラ「いつもとは違えの!マジで俺の理想の男を見つけたんだって!!」
カ「へぇ、その人をどこで見たの?」
ラ「んー。場所は覚えてねーけど、数日前に裏道みたいなとこで、複数人を相手に一人で戦ってたやつがいてさ。そいつ、すげー早く動いて、的確に急所を攻撃して、バンバン倒してたんだぜ。あっという間に全員を倒してた。顔とかは隠れて見えなかったけど。あんな動き出来るんだから、テクもすげー上手そう!あんなやつとヤれたら、最っ高…」
うっとりしながら話すライの言葉に、ある人物は動揺をしていた。そして、普段ならしないミスをしてしまう。
ハ「うわっ!」
アガ「すみません!お坊っちゃま!大丈夫ですか!?」
ハ「平気。アガットこそ、大丈夫かよ?」
アガ「はい。少し手を滑らせてしまって。すぐに片しますね」
アガットは落とした皿やフォークなどを拾い、トレーに乗せる。それを離れたところから見たライが声をかける。
ラ「アガット。何してんのー?ドジ」
アガ「あ、ははっ、すみません。お話の邪魔をしてしまって」
ラ「別にいいけどー。……ああ、どんな顔してんのかな。体は結構いい線いってたから、顔も好みかもしんないー。俺の運命の人かも」
カ「運命の人、ね…」
リ「そういう人がいたら、すごいよね」
ラ「信じてねーじゃん。二人共!」
リ「ライは誰でも好みだって言ってるから、いまいち信憑性にかけるし。好みじゃない人を探した方が早いんじゃないかな?」
カ「確かに。好みじゃないやつはいないの?ライ」
ラ「いたよ。そういうやつは、頭にくるからボコボコにしちまう。顔とかはまったく覚えてねーけど」
アガ「……」
兄弟達が食事を終えて、執事達が後片付けをしていた。粗方、片付けを終えたところで、アンバーが口を開く。
アン「さっき、ライ様が言ってた運命の人って、お前のことだろ?アガット」
アガ「俺じゃない。絶対に俺じゃない…!」
メ「いや、あれは間違いなくアガくんすよ。裏仕事モードの」
アン「だな。数十人以上を一人で相手にしても平気なのはお前か、メイズか、クロッカスだけだ。それにメイズはわざといたぶりながら倒すし、クロッカスもお前と似た感じだけど、もっと容赦がないし。的確に狙って倒すのはお前だけだろ」
アガ「いや、俺じゃない人かもしれないし」
メ「こないだ裏道に誘い込まれて、50人くらいの敵と戦ってたのは、アガくんだけっす」
セ「あの人数を平然と倒すんだから、アガットは本当にすごいよね」
アン「俺もあの人数を一人で倒すのはきついな」
ピ「ふふっ。アガットは裏仕事の時、かなり人が変わるからね」
セ「確かにこの中で一番性格変わるでしょ?アガットは」
アガ「お前も人のことは言えないからな?セージ」
セ「いやいや、アガットには負けるから」
ピ「セージも確かに変わるね。普段のテンションは低いのに」
セ「そう?ま、裏仕事中はヒーローになれたみたいでテンションが上がるからね、俺」
メ「セーちゃん、ヒーロー漫画やゲームとかが好きっすよね」
セ「ダークヒーローものも好きだよ。今度、漫画貸そうか?メイズ」
メ「遠慮するっす。セーちゃん、顔に似合わず、すごいオタクっすよね」
セ「オタクは金持ってないと出来ないからね。おっと早く片さないと。アニメが俺を待ってる」
アン「お前の頭はそれしかないのか…」
セ「当たり。俺からそれを取ったら、顔しか残らないし」
メ「セーちゃん、それでよくフラれるんすよね一」
セ「しばらく女はいいかな。面倒だし、俺は漫画とアニメとゲームだけやって静かに暮らして生きたいから」
アン「本当に顔はいいのに、中身が残念だよな」
セ「放っといて」
アガ「セージも専属執事になったら大変だね」
ピ「そうだよね。漫画やゲームの時間は減るだろうし」
セ「大丈夫。専属執事にはならないから。今はライ様だけでしょ?いないのは。俺、ライ様にはそんな好かれてないしさ」
メ「もしかしたら、旦那様に隠し子がいるかもしれないっすよ?ボルドーさん、よく旦那様関連で頭を抱えてるみたいっすからね」
アガ「ボルドーさん、最近いつも胃痛薬を手放せなくなったって言ってたな」
ピ「ボルドーさんの場合、悩ませられるのは旦那様だけじゃないよ。セレスト様もでしょ?」
アン「言えてる」
ク「皆さん、さっきから話してばかりいないで、さっさと仕事を終わらせてください」
一同「はーい…」
この半年後。
また新たに兄弟が増えることと新たな執事が入ることを彼らはまだ知らない。
【END】
ライは食事をしながら、話し始めた。
ラ「俺、こないだ好みのやつを見つけたんだー」
リ「え?それはいつもじゃないの?ライ」
ラ「いつもとは違えの!マジで俺の理想の男を見つけたんだって!!」
カ「へぇ、その人をどこで見たの?」
ラ「んー。場所は覚えてねーけど、数日前に裏道みたいなとこで、複数人を相手に一人で戦ってたやつがいてさ。そいつ、すげー早く動いて、的確に急所を攻撃して、バンバン倒してたんだぜ。あっという間に全員を倒してた。顔とかは隠れて見えなかったけど。あんな動き出来るんだから、テクもすげー上手そう!あんなやつとヤれたら、最っ高…」
うっとりしながら話すライの言葉に、ある人物は動揺をしていた。そして、普段ならしないミスをしてしまう。
ハ「うわっ!」
アガ「すみません!お坊っちゃま!大丈夫ですか!?」
ハ「平気。アガットこそ、大丈夫かよ?」
アガ「はい。少し手を滑らせてしまって。すぐに片しますね」
アガットは落とした皿やフォークなどを拾い、トレーに乗せる。それを離れたところから見たライが声をかける。
ラ「アガット。何してんのー?ドジ」
アガ「あ、ははっ、すみません。お話の邪魔をしてしまって」
ラ「別にいいけどー。……ああ、どんな顔してんのかな。体は結構いい線いってたから、顔も好みかもしんないー。俺の運命の人かも」
カ「運命の人、ね…」
リ「そういう人がいたら、すごいよね」
ラ「信じてねーじゃん。二人共!」
リ「ライは誰でも好みだって言ってるから、いまいち信憑性にかけるし。好みじゃない人を探した方が早いんじゃないかな?」
カ「確かに。好みじゃないやつはいないの?ライ」
ラ「いたよ。そういうやつは、頭にくるからボコボコにしちまう。顔とかはまったく覚えてねーけど」
アガ「……」
兄弟達が食事を終えて、執事達が後片付けをしていた。粗方、片付けを終えたところで、アンバーが口を開く。
アン「さっき、ライ様が言ってた運命の人って、お前のことだろ?アガット」
アガ「俺じゃない。絶対に俺じゃない…!」
メ「いや、あれは間違いなくアガくんすよ。裏仕事モードの」
アン「だな。数十人以上を一人で相手にしても平気なのはお前か、メイズか、クロッカスだけだ。それにメイズはわざといたぶりながら倒すし、クロッカスもお前と似た感じだけど、もっと容赦がないし。的確に狙って倒すのはお前だけだろ」
アガ「いや、俺じゃない人かもしれないし」
メ「こないだ裏道に誘い込まれて、50人くらいの敵と戦ってたのは、アガくんだけっす」
セ「あの人数を平然と倒すんだから、アガットは本当にすごいよね」
アン「俺もあの人数を一人で倒すのはきついな」
ピ「ふふっ。アガットは裏仕事の時、かなり人が変わるからね」
セ「確かにこの中で一番性格変わるでしょ?アガットは」
アガ「お前も人のことは言えないからな?セージ」
セ「いやいや、アガットには負けるから」
ピ「セージも確かに変わるね。普段のテンションは低いのに」
セ「そう?ま、裏仕事中はヒーローになれたみたいでテンションが上がるからね、俺」
メ「セーちゃん、ヒーロー漫画やゲームとかが好きっすよね」
セ「ダークヒーローものも好きだよ。今度、漫画貸そうか?メイズ」
メ「遠慮するっす。セーちゃん、顔に似合わず、すごいオタクっすよね」
セ「オタクは金持ってないと出来ないからね。おっと早く片さないと。アニメが俺を待ってる」
アン「お前の頭はそれしかないのか…」
セ「当たり。俺からそれを取ったら、顔しか残らないし」
メ「セーちゃん、それでよくフラれるんすよね一」
セ「しばらく女はいいかな。面倒だし、俺は漫画とアニメとゲームだけやって静かに暮らして生きたいから」
アン「本当に顔はいいのに、中身が残念だよな」
セ「放っといて」
アガ「セージも専属執事になったら大変だね」
ピ「そうだよね。漫画やゲームの時間は減るだろうし」
セ「大丈夫。専属執事にはならないから。今はライ様だけでしょ?いないのは。俺、ライ様にはそんな好かれてないしさ」
メ「もしかしたら、旦那様に隠し子がいるかもしれないっすよ?ボルドーさん、よく旦那様関連で頭を抱えてるみたいっすからね」
アガ「ボルドーさん、最近いつも胃痛薬を手放せなくなったって言ってたな」
ピ「ボルドーさんの場合、悩ませられるのは旦那様だけじゃないよ。セレスト様もでしょ?」
アン「言えてる」
ク「皆さん、さっきから話してばかりいないで、さっさと仕事を終わらせてください」
一同「はーい…」
この半年後。
また新たに兄弟が増えることと新たな執事が入ることを彼らはまだ知らない。
【END】