Chocolate Warning Issued




二人が向かったのは、出会い喫茶だった。
中に入るなりライは服を脱ぎ捨てる。


「ライ様……脱ぎ捨てる仕草もた、たまらない……ですっ……」


悲鳴をBGMにオーキッドは倒れた。
暫くしてオーキッドが目を覚ますと、ライはベッドで眠っていた。


「……夢? ふふ、ライ様……幸せそう……」


眠るライを見て、オーキッドは微笑む。


「あら? 可愛い坊やが紛れてた」
「か、カメリア様! どうしてここに……?」


オーキッドは手を握り締めて、カメリアを見つめる。


「チョコ作ってたら、悪酔いしちゃったのよ。それで餌探して味わってたんだけど物足りなくて」
「まさか……ライ様と……?」
「今更じゃない。けど……今日は相性が最悪だったわ」


大きな溜め息をついて、カメリアは続ける。


「口臭も体臭も何もかもカカオなのよ!……よりによって、ライにも同じこと言われたし」
「……え?」
「チョコを作ろうとして、どれだけカカオを味見したと思ってるの? トラウマレベルよ」
「……えぇ?!」
「先ず、味が違うの! カカオをいくら食べても、あの甘くてほろ苦い味がしないのよ!」


カメリアはライの背中を踏みつけながら叫んだ。


「それを思い出すの、ライとヤろうとすると! だからもう……今日はSM嬢に嫌でもなってしまうの……ッ!」
「そんな……! ライ様に暴力なんて……」
「塩を少々、砂糖をまぶして……暫く叩く……艶々のいい香りになるのよ!」


言いながら、カメリアはライを小道具のように使い再現をする。


「ちょ、ライ様に何をしているんですか!」
「そして、パウダーをまぶし……暫く放置するの……いやしいチョコが完成度高めで出来たのよ!」
「……か、買います! 全財産叩いてでも……」


遅ばせながら、解説しよう。
カメリアもライと同様にカカオの過剰摂取により性欲と混乱が生じているのだ。


「はぁ……アフロディーテみたいなチョコ、作って食べたぁい……」
「……はい?」
「あの綿飴のような髪、滑らかな肌……包み隠さずさらけ出す──」
「カメリア様にお似合いだと思います!」


そう言い残し、オーキッドはライを抱え去っていく。



.
4/6ページ
スキ