Imitation Work




「おい、こっちに来い!」
「きゃ……ッ」


背中を押され、アリスが入った部屋には──


「お菓子……? ケーキもある……」
「好きなだけ食べるがいい」


得意気にナンパ男が言った。


「え?」
「全てカロリーハーフだ! 故に全量たいらげられるだろう?」
「ええっ! 私、そんなに食べられませんから!」


アリスは全力拒否。


「カロリーハーフだぞ?」
「多分、意味誤解してますって! ハーフはハーフでも量は変わりませんから!」
「……そうなのか?」
「そうですよ。そもそも、カロリーというのはですね──」


アリスによる、カロリー勉強タイムが終わると……


「折角なので、いただきますね」


アリスはクッキーを手に取る。


「……砂糖とバターの割合が甘いですね…………こっちのカップケーキは卵の溶き方が甘い気がする……」


全て一つずつ食べ終えたアリスは、静かに立ち上がった。


「あの」
「な、何だ……?」
「キッチン、どこですか?」


その後、アリスは同じメニューを作ってみせた。



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