「と、とにかく気を付けて下さいね」
「はいはい、分かってるって」


“大切なモノが狙われる”
家にあるブランドものの数々だとか、欲しいならいくらでもくれてやる。
そんなものの価値なんかどうでもいい。
オレにとっては──


「お坊っちゃま！」
「……アガット？　どうした？」


出先で身支度を整えていると、アガットが血相を変えて入ってきた。


「アリスさんが──！」


アガットの言葉にオレは勢いよく、部屋を飛び出した。


「……お坊っちゃま…………場所も犯人もまだ分からないっていうのに…………分かりやすいですね」



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