Little Vegetable
翌日。
私はお坊っちゃまに食べさせるお菓子を作りながら、にんじんを入れることにした。そのままだとバレちゃうから、みじん切りにして、他の食材と混ぜ合わせた。
これなら、わからないわ!ふふふ。お坊っちゃまを驚かせるんだから。
「ただいま!」
「おかえりなさい。お坊っちゃま」
私は、学校から帰って来たお坊っちゃまを出迎える。相変わらずお菓子がある日は、急いで帰って来るな。そんなに楽しみなのかしら。
「なあ、今日のお菓子は何!?」
「用意してありますよ。ですが、その前に…」
「手洗って来る!」
鞄を置くと、部屋を出て洗面所に向かった。その姿を微笑ましく思いながら、私は机に並べた。並べ終えると、お坊っちゃまが戻って来た。
「アリス。ちゃんと手洗って来た!」
「よく出来ました。それでは、こちらが今日のお菓子です」
お坊っちゃまを座らせ、その前にホイップクリームとフルーツを添えたホットケーキとオレンジのゼリーを置いた。見た目は普通だが、どちらにもお坊っちゃまの嫌いなにんじんが含まれていた。
さて、お坊っちゃまは気づくかしら。
「うまそう!もう食ってもいい?」
「どうぞ」
「よし。……いただきます!」
お坊っちゃまは、いつものように嬉しそうな顔で、まずはホットケーキを頬張っていた。にんじんに気づいてはいないようだ。あっという間にホットケーキを食べると、今度はゼリーを口にする。そちらもにんじんに気づくことなく、ペロリと食べ終わった。
「ごちそうさま」
「どうでしたか?」
「うまかった!」
「それは良かったです!実は今日のお菓子には、にんじんが入っていたんですよ」
「………え。にんじん?どこに??」
「どちらにも入っていましたよ!」
「マジ!?全然気づかなかった…」
よし、成功だわ!
それからも私は、お坊っちゃまが食べるお菓子に野菜をこっそりと入れるようにしていた。いつもだと警戒しちゃうだろうから、一ヶ月に一度くらい。
でも、気づくことなく、食べちゃうけど。
そしたら、アガットさんにお礼を言われた。どうやら外でも残さないようになったらしい。良かった。
【END】
私はお坊っちゃまに食べさせるお菓子を作りながら、にんじんを入れることにした。そのままだとバレちゃうから、みじん切りにして、他の食材と混ぜ合わせた。
これなら、わからないわ!ふふふ。お坊っちゃまを驚かせるんだから。
「ただいま!」
「おかえりなさい。お坊っちゃま」
私は、学校から帰って来たお坊っちゃまを出迎える。相変わらずお菓子がある日は、急いで帰って来るな。そんなに楽しみなのかしら。
「なあ、今日のお菓子は何!?」
「用意してありますよ。ですが、その前に…」
「手洗って来る!」
鞄を置くと、部屋を出て洗面所に向かった。その姿を微笑ましく思いながら、私は机に並べた。並べ終えると、お坊っちゃまが戻って来た。
「アリス。ちゃんと手洗って来た!」
「よく出来ました。それでは、こちらが今日のお菓子です」
お坊っちゃまを座らせ、その前にホイップクリームとフルーツを添えたホットケーキとオレンジのゼリーを置いた。見た目は普通だが、どちらにもお坊っちゃまの嫌いなにんじんが含まれていた。
さて、お坊っちゃまは気づくかしら。
「うまそう!もう食ってもいい?」
「どうぞ」
「よし。……いただきます!」
お坊っちゃまは、いつものように嬉しそうな顔で、まずはホットケーキを頬張っていた。にんじんに気づいてはいないようだ。あっという間にホットケーキを食べると、今度はゼリーを口にする。そちらもにんじんに気づくことなく、ペロリと食べ終わった。
「ごちそうさま」
「どうでしたか?」
「うまかった!」
「それは良かったです!実は今日のお菓子には、にんじんが入っていたんですよ」
「………え。にんじん?どこに??」
「どちらにも入っていましたよ!」
「マジ!?全然気づかなかった…」
よし、成功だわ!
それからも私は、お坊っちゃまが食べるお菓子に野菜をこっそりと入れるようにしていた。いつもだと警戒しちゃうだろうから、一ヶ月に一度くらい。
でも、気づくことなく、食べちゃうけど。
そしたら、アガットさんにお礼を言われた。どうやら外でも残さないようになったらしい。良かった。
【END】