Playing with each Other




とある休日。
談話室には、グレン、カルロ、タスクの三人がいた。休みになると、いつもリコリスの家に行ってしまうタスクは、珍しく屋敷にいた。どうやら、リコリスが久々に家族と出かけるからと断られてしまったらしい。
だからといって、今日いきなり友人を誘って、出かける気分でもないので、あまり気を遣わなくていい兄達と過ごしていた。



タ「そういえばさ、グレンもカルロもエドも同い年じゃん?大学では、誰が一番モテんの?」

カ「そうは言っても、中学や高校とは違うからな」

グ「そうだね。でも、別の学部にいても、カルちゃんの噂は流れてくるよ。大学でも相変わらずね」

カ「噂?また俺が女の子と遊んでポイ捨てしてるとかだろ。一時はともかく、今はそこまでひどくないよ。本当にやんなるな」

グ「一時はひどくても、今も遊んでるんだから、噂されても仕方ないでしょ?スクやルクを見習いなよ。一途に恋してるんだから」

タ「オレ、リコリス以外に興味ねェし!浮気も絶対しない!リコリスしか見えねェから!」

グ「ほら。こういう風に一途になれる?」

カ「確かに、今の俺にはない…」

グ「ルクも毎日アリスを追いかけてるよね。ちょっと姿がないだけで探しに行っちゃうんだから」

カ「タスクと違って、ハルクはアリスとは一緒にはなれないよ。アリスは庶民なんだから」

タ「でも、アイツ、絶対にアリスと結婚するとか考えてるよ」

カ「結婚!?付き合ってすらいないのに」

グ「純粋だね。カルちゃんとは大違い…」

タ「いつだったか、言ってたんだよ。自分が18歳になる時には、アリスは23歳…って」

カ「あいつは一途過ぎて、怖いよ…。アリスだって、二年後には縁談が来るだろ。そしたら、うちには居られない」

タ「まあね。前に例え話で聞いたことあんだけどさ、ハルクに“アリスに縁談が来たらどうすんの?”って。そしたら、何て言ったと思う?」

カ「ハルクのことだから、“縁談なんかさせない”とか言ったんだろ」

グ「言いそうだね」

タ「当たり!正しくは、ぶち壊すだけど」

カ「もっとひどかった。弟ながら、心配だよ。アリスがいなくなったら、病むんじゃないか?」

グ「また引きこもっちゃうかもしれないね」

タ「あ、話がそれちまった!んで、結局どうなの?どっちがモテんの?」

グ カ「「……」」


タスクにそう聞かれ、しばし考える二人。
同時に発した名は───


グ「カルちゃん」

カ「グレン」


顔を見合わせるグレンとカルロ。


グ「えー、ここはやっぱカルちゃんでしょ?」

カ「いやいや、グレンだよ」

タ「え、どっちなの?」

グ「カルちゃん」

カ「グレン」

グ カ「「……」」

タ「二人共、自分とは言わないんだ」

グ「そこまでモテると思ったことないし」

カ「そうそう。俺達の他にもモテるやつはいるし」


それを聞いたタスクは思う。

(いや、それはねェだろ。「どちらもかなりモテるのに、そこまでとは思ってないんだよね」って、リク兄が言ってたけど、マジだったわ…)


タ「二人共、そこでエドは選ばないんだね」

グ「エドはね…」

カ「エドはな…」

タ「え、何?何かあんの?」

カ「タスクもわかるだろう?」

タ「エドか。女と一緒にいるよな。そんで見る度に相手が違う…」

エ「ター。何かな?俺に用?」


そこに突然、エドが現れて、驚く三人。


タ「エド!」

グ「いつの間に…」

カ「うわっ、出た…」

エ「カルはひどいな。人をまるでお化けみたいに…」

カ「どちらかと言えば、幽霊に近い…?」

エ「…ん?どういう意味。カル」

カ「そのままだよ」

グ「エドってさ、いつも普通に話しながら、流れるように女の人を口説くよね?」

エ「そうかな?でも、綺麗な人や可愛い人を見るとさ、誘わないと失礼にあたるかなって思うんだ」

グ カ タ(((いやいや、それはない!)))

三人の心が一つになった瞬間だった。



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