Key
……………
…………
………
……
…
ずっと本に集中していたら、私の体に誰かが寄りかかってきた。隣を見ると、カルロ様が眠っていた。反対側を見れば、お坊っちゃまが私の腰に抱きつくように眠っていた。
静かなはずだ。いつの間にか、二人共寝てるし。
カルロ様、無防備に寝ることあるのね。少し意外。
ん?というか、私、寝られないじゃない!二人共、横でくっつくように寝てるし。
気持ち良さそうに寝てる二人を起こすのも悪いし、このまま朝まで本を読もう。テーブルに何冊か本を置いてあるから、本棚には取りに行かずに済んでるしね。最近読んでなかったし、丁度いいわ。
別の本を読み始めようとしたら、突然、書斎のドアが開く。入って来たのは…
「あれ?アリスさん…」
「リク様!?」
リク様が何冊か本を抱えて、入ってきた。もしかしたら、本を置きに来たのかもしれない。
「あっ、もしかして、出られなくなったんですか?今日は確かセキュリティで閉まる日でしたから」
「はい。やむを得ず、ここで一晩を…」
「そうなんですね。ハルクはわかりますけど、カルロ兄さんがいるのは意外です」
リク様がクスリと笑う。その笑みに私の心は掴まれたのは言うまでもない。
「そうですね。いつの間にか寝てましたね、カルロ様は。寝る前まではお坊っちゃまと言い合ってたんですが」
「カルロ兄さん、あまり誰かの前で寝たりしないんですよ。そんな風に無防備に寝ることも滅多にありません。寝顔は尚更見せなくて…」
「そうなんですか?」
「はい。普段から眠りも浅いんです。普段なら誰か来るとすぐ起きるはずなのに全然起きませんから。きっとアリスさんの傍で安心してるんでしょうね」
カルロ様に安心されても嬉しくない!私の好きな人はあなたなんですと言いたいくらいだ。
……言えないけれど。
リク様が抱えていた本を棚にしまってく。その姿を私は見つめていた。
「ハルクもあなたの傍から離れようとしないですし」
「お坊っちゃまはお部屋で寝てくださいと言ったんですが、すぐに毛布を持って戻ってきちゃって…」
「二人共、本当にあなたを気に入ってるんでしょうね」
いやいや、私が気に入られたいのはリク様です。これも言えないよ!
「お邪魔してしまいましたね。僕は本を置いたら、また部屋に戻りますから」
「いえ、邪魔じゃないです!リク様とお話出来て、楽しかったので」
「僕も楽しかったです。アリスさんが今読んでる本もテーブルに置いてあるものは、ほとんどが僕の本なので」
「すみません。勝手に読んでしまって。ほとんどが読みたかったものばかりで、つい…」
「構わないですよ。今度、本の話が出来たらいいですね」
「はい。是非…!」
「それじゃあ、おやすみなさい」
「おやすみなさい」
そう言って、リク様は書斎から出て行ってしまう。
嬉しい。今度、リク様と本の話が出来るの!?今の夢じゃないわよね!嬉しくてこのまま寝たいくらいだわ。目も疲れてきたし。…ちょっと寝ようかな。
しかし、私はちょっとどころか朝まで眠っていたらしい。お坊っちゃまに起こされて、知った。
「お前、ちょっと無防備過ぎじゃねェ?」
「そうだね。本当に誰かに襲われちゃうよ?」
「いやいや、二人が私にくっつくように寝てたせいで、私、動けなくて、ちゃんと寝られなかったんですよ!」
「寝てたじゃん!」
「うん。何度も起こしても起きなかったね…」
「うっ…」
テーブルの上にあった本はすべて片づけられていた。まだ読んでる途中のも片づけられた。
「以後気をつけます。もうセキュリティも解除されてますから、私、部屋に戻りますね!」
「あ、アリス。今行かない方が…!」
「オレ、知らねェ…」
カルロ様の声も聞かず、自分の服を持ち、書斎を出た。階段を降りて、玄関に向かい、ドアを開ける。目の前に執事長の姿。げっ。
その後、執事長から2時間説教をされたのは言うまでもなかった。
【END】
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ずっと本に集中していたら、私の体に誰かが寄りかかってきた。隣を見ると、カルロ様が眠っていた。反対側を見れば、お坊っちゃまが私の腰に抱きつくように眠っていた。
静かなはずだ。いつの間にか、二人共寝てるし。
カルロ様、無防備に寝ることあるのね。少し意外。
ん?というか、私、寝られないじゃない!二人共、横でくっつくように寝てるし。
気持ち良さそうに寝てる二人を起こすのも悪いし、このまま朝まで本を読もう。テーブルに何冊か本を置いてあるから、本棚には取りに行かずに済んでるしね。最近読んでなかったし、丁度いいわ。
別の本を読み始めようとしたら、突然、書斎のドアが開く。入って来たのは…
「あれ?アリスさん…」
「リク様!?」
リク様が何冊か本を抱えて、入ってきた。もしかしたら、本を置きに来たのかもしれない。
「あっ、もしかして、出られなくなったんですか?今日は確かセキュリティで閉まる日でしたから」
「はい。やむを得ず、ここで一晩を…」
「そうなんですね。ハルクはわかりますけど、カルロ兄さんがいるのは意外です」
リク様がクスリと笑う。その笑みに私の心は掴まれたのは言うまでもない。
「そうですね。いつの間にか寝てましたね、カルロ様は。寝る前まではお坊っちゃまと言い合ってたんですが」
「カルロ兄さん、あまり誰かの前で寝たりしないんですよ。そんな風に無防備に寝ることも滅多にありません。寝顔は尚更見せなくて…」
「そうなんですか?」
「はい。普段から眠りも浅いんです。普段なら誰か来るとすぐ起きるはずなのに全然起きませんから。きっとアリスさんの傍で安心してるんでしょうね」
カルロ様に安心されても嬉しくない!私の好きな人はあなたなんですと言いたいくらいだ。
……言えないけれど。
リク様が抱えていた本を棚にしまってく。その姿を私は見つめていた。
「ハルクもあなたの傍から離れようとしないですし」
「お坊っちゃまはお部屋で寝てくださいと言ったんですが、すぐに毛布を持って戻ってきちゃって…」
「二人共、本当にあなたを気に入ってるんでしょうね」
いやいや、私が気に入られたいのはリク様です。これも言えないよ!
「お邪魔してしまいましたね。僕は本を置いたら、また部屋に戻りますから」
「いえ、邪魔じゃないです!リク様とお話出来て、楽しかったので」
「僕も楽しかったです。アリスさんが今読んでる本もテーブルに置いてあるものは、ほとんどが僕の本なので」
「すみません。勝手に読んでしまって。ほとんどが読みたかったものばかりで、つい…」
「構わないですよ。今度、本の話が出来たらいいですね」
「はい。是非…!」
「それじゃあ、おやすみなさい」
「おやすみなさい」
そう言って、リク様は書斎から出て行ってしまう。
嬉しい。今度、リク様と本の話が出来るの!?今の夢じゃないわよね!嬉しくてこのまま寝たいくらいだわ。目も疲れてきたし。…ちょっと寝ようかな。
しかし、私はちょっとどころか朝まで眠っていたらしい。お坊っちゃまに起こされて、知った。
「お前、ちょっと無防備過ぎじゃねェ?」
「そうだね。本当に誰かに襲われちゃうよ?」
「いやいや、二人が私にくっつくように寝てたせいで、私、動けなくて、ちゃんと寝られなかったんですよ!」
「寝てたじゃん!」
「うん。何度も起こしても起きなかったね…」
「うっ…」
テーブルの上にあった本はすべて片づけられていた。まだ読んでる途中のも片づけられた。
「以後気をつけます。もうセキュリティも解除されてますから、私、部屋に戻りますね!」
「あ、アリス。今行かない方が…!」
「オレ、知らねェ…」
カルロ様の声も聞かず、自分の服を持ち、書斎を出た。階段を降りて、玄関に向かい、ドアを開ける。目の前に執事長の姿。げっ。
その後、執事長から2時間説教をされたのは言うまでもなかった。
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