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【ビターチョコレートとミルクチョコレート】
※アリス視点。
翌日。
お坊っちゃまの迎えの後で、学園新聞に載っていたチョコレート店にやって来た。雑誌を読む度に来たくてたまらなかったあのチョコレート店に。あー、私、ここに来れたんだ!夢にまで見たこのお店に。
店内を見て、私は感激していた。うっとりしていると、お坊っちゃまが少し呆れていた。
「そんなに来たかったのかよ」
「はい!私が行ける範囲だとここしかなかったので。こっち方面は、車がないとなかなか行けないところですし。バスで近くまで来ようかなと思ってました。なかなか行けませんでしたけど」
「ふーん。それなら、たまにオレの迎えついでに来ればいいじゃん…」
「いいんですか?」
「いいよな?アガット」
「帰る途中にありますし。問題ないですよ」
「ありがとうございます!」
やったー。また連れて来てもらえる!嬉しい。
それから三人で店内を見て回る。私の手には、バッチリ店内用のカゴがある。
「それにしても、沢山の種類がありますね」
「ここのお店には、甘いの苦手な人向けに甘くないビターチョコレートとか、甘さの少ないものも置いてありますよ。子供向けに作られたチョコレートもあったりするんですよ」
「本当ですね。俺も弟達に買って行こうかな」
「きっと喜んでくれますよ!」
ふふ、アガットさんも買うみたいだ。チョコレートを選び始めてる。さて、私も選ばなくちゃ。
今月限定のチョコレートと今月の花をイメージしたチョコレート(今回はコスモス)と他にも気になったチョコレートを購入した。アガットさんも何点かチョコレートを購入していたようで、袋を持っていた。お坊っちゃまはここよりも併設されたカフェの方が気になるのか、そちらを見ていた。
買い物を終えて、カフェの方に入る。
見事に女性客しかおらず、お坊っちゃまとアガットさんは気まずそうにしていた。が、案内してくれた店員さんが気を使って、奥の席にしてくれた。ここなら人目も気にせず、食べれるだろう。メニューをパラパラと捲る。
「さ、二人共。何を食べますか?」
「オレ、これがいい!」
「チョコレートパフェDXですね。お坊っちゃま、こっちのいちごパフェじゃなくて、いいんですか?」
「今月限定のが気になるから、こっちでいい」
「お坊っちゃま、成長しましたね」
「お前があちこち行く度にうるせェからだろ。「何で限定物を食べないんですか!」とか「今しか食べられないんですよ!」って、耳にたこが出来るくらい言ってきたせいだよ」
まー、私のせいにしてる。でも、今食べないともったいないじゃない。限定のは食べたくても、いつも食べられるわけじゃないんだし。私は間違ったことは言ってないわ!
「俺はこれにします」
「アガットさんは、お坊っちゃまと違うチョコレートパフェですか!いいですね!これは9月限定パフェなんですよね。私も迷いましたけど。私はWホワイトチョコレートパフェにします。すみませーん!」
早速、注文して、三人で話しながら待っていると、注文したパフェが目の前に置かれる。
「すごい!」
「すげー」
「チョコレート店のパフェだからか、白い部分がありませんね。アリスさんの頼んだホワイトチョコのパフェは、反対に白いところしかないですし」
「おいしそうです!あ、食べる前に写真だけ撮らせてください!あとでベゴニアとスマルトにも見せるので」
三つのパフェが並んでいるところを、スマホで撮ってから三人で仲良く食べた。途中、お坊っちゃまが私のパフェを勝手に食べるから、お返しに私もお坊っちゃまのパフェを何口か食べてみた。これもおいしい!
そしたら、アガットさんも「俺のもいいですよ。そっちのも食べていいですか?」と聞いてきたから、お言葉に甘えた。これもおいしい!全部当たりだわ。また来月が楽しみになってきた。誕生日月だと値引きとプレゼントもらえるんだよね。来月に私の誕生日があるから、絶対来なくちゃ!
食べ終わり、アガットさんが会計してくれた。最初は自分の分を払おうとしたが、アガットさんに断られてしまった。お礼を伝えて、お坊っちゃまと先にお店を出ようとしたら、トイレに行きたくなってしまった。お坊っちゃまにチョコレートの入った紙袋も預かってもらい、私はトイレに向かった。
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