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【学園新聞】※ハルク視点。


シ「好みのタイプ?」

ア「そう!ダイヤモンドくんの好みを知りたいと沢山の女子から聞かれてるの。是非とも教えて欲しいな!」

シ「んー。好きになった人がタイプ、かな?」

ア「そこをもっと詳しく!」

シ「詳しくね…。それなら、アンデシンさんも教えてくれないと」

ア「私!?何で」

シ「インタビューとはいえ、俺だけ聞かれてばかりなのは、ちょっとね。アンデシンさんも話してくれるなら、俺ももっと詳しく話すよ(^_^)」

ア「えー…」


昼休み。
テラス席でシンジュが同じクラスで新聞部のハトバ・アンデシンに取材をされており、その様子をオレとコウが隣のテーブルから見ていた。

事の発端は、昼食を食べ終えた頃にオレ達の元へアンデシンがやって来たのが始まり。いきなりシンジュに向かって、簡単なインタビューに答えてくれと話し、それにシンジュが快く答え、空いていた隣のテーブルでインタビューをすることになったのだ。


「てか、何で学園新聞でシンジュの好みのタイプを載せんだよ。意味わかんねェ…」

コ「一体、何の特集なんだろうね?」

「シンジュのヤツはアンデシンを困らせて、楽しんでるけどな」

サ「あのインタビューは、再来月号に載せる“学園の気になるイケメン特集の一年生編”らしいぜ」


オレらの背後から、突然、同じクラスのサンストーンが現れた。パロット・サンストーン。中等部からの編入組。最初の頃は話したことはなかったが、先日に行われた席替えで隣の席になってから、よく話すことが増えた。悪いヤツではねェけど、口は軽いし、お喋りでもある。


コ「うわっ!サンストーンくん…」

「サンストーン。いきなり現れんなよ…。てか、何だよ。その特集は」

サ「知らねーの?ドルチェ。うちの学年だとダイヤモンドが一番人気なんだぜ」

「シンジュが?中等部でもかよ。中身はさておき、顔だけはいいからな」

コ「ハルク。そこまで言わなくても…。中身だって、いいところあるんだよ?」

「ねェとは思わないけど、普段が普段だから。シンジュの場合」

サ「そのうちお前ら二人にもインタビューは来るんじゃね?」

「はあ!?」

コ「僕らも?」

サ「友達に新聞部に入ってるやつがいてさ、そいつから聞いた。学園の女子達にアンケートを取って、そのうちの上位に入ってるやつらにインタビューしてるから。前に三年と二年はやったから、今回は一年。現にダイヤモンドがされてるだろ?」

「確かに」

サ「一年だと、お前ら二人にマリンブルー、セミフレッド、クロスタータの双子、アッフォガートとかだったな。でも、セミフレッドには断られて、クロスタータの弟とアッフォガートは全然捕まらないから、その三人は諦めたって」

見事に知り合いばっかだな。
マリンブルーはセツナだろ。クロスタータの弟は、サキトか。カイトの方はきっと押しきられたのかもな。アイツ、断れないところあるし。アッフォガートって、リゼ公だよな。一瞬、誰ってなったけど。ツツジの場合、自分に得がないことはやらないからな。
しかし、インタビューなんて面倒くせェな。てか、オレも入ってるのかよ!アンデシンがこっちに来る前にさっさと逃げるか。


「……オレ、飲み物買いに行…!」

サ「逃げるなよ、ドルチェ」

「逃げてねェよ」

サ「いや、お前逃げようとしてただろ!」


サンストーンによって、邪魔された。オレはインタビューなんか受けたくねェんだよ。


ア「ダイヤモンドくん、ありがとう。あ、カイヤナイトくんとドルチェくん。次は二人にインタビューしたいんだけど、いいよね?」

「げっ、マジで来やがった。オレ、トイレに…」


そう言い、席から立ち上がろうとしたが、背後にいる誰かによって、イスに座らされた。振り返れば、にこにこ笑うシンジュ。


シ「だめだよ、ハルク。逃げたら」

「シンジュ。いつの間に…」

シ「ほら、すぐ終わるから」

コ「ハルク。僕も一緒なんだし、諦めて受けよう?」

ハ「……わかったよ」


コウにまで言われたら仕方ねェ。渋々、引き受けることになった。

最初は簡単な誕生日や血液型、趣味などを聞かれ、答えていった。これで終わればいいなと考えたが、そんな簡単には終わらない。むしろ、ここからが大変だった!


ア「次は質問タイムね。二人は今、好きな人とかいる?気になる人でもいいけど」

コ「いるよ」

「……いねェ」

シ「ハルク、嘘つかない」

コ「そうだよ。ハルク、ちゃんと正直に答えないと」

ア「え!?いるの!二人共。この学園の子!?」

サ「マジで!ドルチェ、誰!?」

「アンデシン、サンストーン、もっと声を下げろ。皆、こっちを見てるから」


テラスにはオレ達のように食べ終わっても、まだ仲の良いヤツらとで固まって座っていた。そいつらの視線がこちらに向いていた。アンデシンとサンストーンの声が元からでかいのもあんだろうけど。


ア「ごめん。つい声が…。それで?どんな子?」

「……言いたくねェ」

ア「何でよ!教えてよ」

「何で教えなきゃいけねェんだよ」

シ「ハルクの好きな人は、年上だよ」

ア「え!?」

「バカ!シンジュ!!」

サ「年上!?」

シ「金髪で髪が長くて、可愛い人。優しくて、かなりの天然。お菓子作りが趣味で子供好き。あと、胸が大きくて…」

「シンジュ!!」


慌ててシンジュの口を塞ぐ。危うくアリスの名前が出るところだった。


ア「やけに詳しいね?ダイヤモンドくん。しかも、かなり特定した人みたいだけど」

サ「確かに!写真とかねーの?」

「あっても、見せねェよ!」


シンジュめ~。ペラペラとアリスのことを話しやがって!お前がそう出るなら、こっちだって。


「コイツもオレのこと、言えねェからな。シンジュも年上!髪は肩につくか、つかないかくらいの長さで、明るく真っ直ぐで面倒見が良く、サバサバした性格。スラッとした…」


今度はオレの口をシンジュが塞いできた。睨んでも、お前が悪いんだ、最初にオレの好きなヤツをバラそうとしたんだから。


ア「ダイヤモンドくんも!?」

コ「二人共…」

サ「最早、暴露大会になってんじゃん。ところでカイヤナイト、二人の好きな相手のこと、知ってるか?」

コ「………さあ?」


それからチャイムが鳴り、昼休みが終わり、インタビューも強制終了。
アンデシンはその後ももう少しだけインタビューさせてとオレの元に来たが、ずっと逃げ回った。



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