Riku Note
翌日。
俺はあるものを持って、アリスを探す。ハルクの部屋に行ってみたが、アリスはいないとアガットは答えた。どこいるか聞いてみれば、中庭だと教えてもらった。礼を言い、中庭に向かう。
アリスは中庭の掃除をしていた。他に誰もいない。リクもいないようだ。早速、声をかけると、アリスは慌て出す。
「カルロ様!昨日のノートのことですが…」
「……これ、あげる」
アリスに封筒を渡す。それを見て、アリスは首を傾げた。
「なんですか、これ?」
「アリスが気に入るもの」
素直に受け取ったアリスが封筒を開ける。中の物を見て、声を上げた。
「……っ!?これは…」
「リクの小さい頃だよ」
「可愛い!!」
幼い頃のリクの写真を見ては、目を輝かせるアリス。小さな子供好きなアリスだから、喜ぶとわかっていた。
ましてやリクの写真ならば、更に───
「可愛いです。天使がいます!」
「本当にリクが好きなんだね」
そう言うと、アリスは真っ赤な顔で俯きながら、「憧れの人ですから…」と呟く。少しリクが羨ましく思えた。
「カルロ様も可愛いかったんですね。今は面影はなくなっちゃいましたけど」
「今、可愛いと言われても嬉しくはないよね」
中にはリクと一緒に映ってる俺やライのもあった。タスクやハルクとも映っているものもあったが、俺が持っている中には入っていなかった。ハルクやタスク達のアルバムにならあるかもしれないが。
「これ、本当にもらってもいいんですか?」
「いいよ。写真なんて沢山あるから」
「ありがとうございます!」
満面の笑みを浮かべるアリス。彼女と別れ、その場を離れる。
憧れの人、か。
本当にそれだけで満足出来るのかな。俺だったら、その先を考えちゃうけどな。アリスらしいからいいか。
【END】