Alice swap Ⅲ(後)
それからハルクは宿題があるからか、机の方に行ってしまい、執事の彼……アガットもそれを教えるためか、イスを持ってきて、隣に座って教え始めた。
……つまんなーい。一旦、席を外そう。リップもつけ直したいし。あたしは黙って、部屋から出た。
パウダールームはどこだっけ?
彼女が部屋を出た後、ハルクがアガットに話しかける。
「なあ。今のアリス、変じゃねェ?」
「変というよりも、様子がおかしくありませんか?口調も何かいつもと違いますし」
「ああ。オレのことも“ハルク”って呼んでたぜ。熱でもあるのか?」
「そうかもしれませんね。アリスさん、限界越えても無理しちゃいますから。俺、薬とか用意して持ってきます!」
「わかった…」
アガットが部屋を出た。一人になったハルクは宿題の続きに取りかかる。
しばらくそれに集中していたせいか、アリス(中身はカメリア)が戻って来ても気づかない。彼女が隣に座っていても───
【to be continued…】