Alice swap Ⅲ(後)
ここか。
ドアにハルクのイニシャルであるHのプレートがかけてあった。
早速、部屋に入ると、ベッドの上で漫画を読んでいたハルクがあたしに気づいて、漫画を閉じた。
「アリス。お前、ずっとどこに行ってたんだよ?」
「……ちょっと、ね」
「ふーん…」
ハルクを観察してみる。
ちょっとツツジにも似ているけど、守備範囲内ね。服装もツツジとは系統がまったく違う。あの子、パパに似て、きっちり着るタイプだけど、ハルクは反対にきっちり着るのが嫌なのだろう。全体的にゆったりした服を着てた。パンツは動きやすそうなのを履いてはいたが。
上三人は黒髪だけど、この子とタスクは茶髪よね。母親が違うのもあるだろうけど。でも、やっぱりおじさまの血が入ってるから、中学生のわりには整ってる。
基本的に年下はあまり興味ないんだけど、まだ何もわからない子を自分好みにしていくのも楽しそうかも。本当はもう少し成長してからが良かったのだけど、味見してみるのもいいか。
「どうしたんだよ!?この痣!」
「ああ、これ?」
ハルクがあたしの手首についた痣を見て、声を上げる。それは、リクにつけられた痕。これがキスマークなら良かったんだけどね。
「大したことないわ。痣だから、そのうち消えるわよ」
「大したことないじゃねェだろ!痣になってんじゃん。誰にされたんだよ!」
あら、ハルクが怒るとは思わなかったわ。あたしに怒っているというよりも、あたしに痣をつけた人に対して、怒ってるけど。
「知りたい?」
「当たり前だろ!一体、誰にやられた?言えよ!」
「……」
「アリス!オレがその相手に……っ!?」
ハルクをベッドにそのまま押し倒す。起き上がる前にすぐにその上に跨がる。
「……ふふっ」
「アリス、何して…っ!」
「可愛い」
「!!」
指で唇に触れただけで、顔が赤い。反応が可愛い。年下もいいかもしれない。
いつも相手は同い年か年上だったから、新鮮だわ。
「ねぇ、ハルク。このまま楽しいこと、シようか?」
「はあ!?」
あたしは髪をほどき、着ている制服のリボンを解いて、服のボタンを外す。
「……っ!お前、何で脱いでんだよ!」
「え、興味ない?」
ブラウスの前をはだけさせて、胸を見せる。ブラはちゃんと変えてるし、問題はない。あの子のつけてるブラ、いまいちだったのよ。デザインもだけど、サイズも合ってなかったのよね。あの子、自分が思っているより小さいサイズを買ってるのかも。もしかしたら、あたしよりあるかもしれない。
ハルクの方は動揺してても、視線は明らかに胸を見てる。興味はあるみたいね。
「興味とか、そんなんじゃなくて!」
「この下着、お気に入りなんだけどなー」
「……っ」
手を使い、胸を触ってみたり、寄せたりしてみた。やっぱりあたしより胸は大きいわ。
下を見れば、ハルクが真っ赤になりながらも見ていた。
……ああ、そうか。ハルクはこの子が好きなのね。だから、嫌がってない。むしろ、興味はあるし、ヤりたい。
その反応を見たあたしは、口角を上げた。
「触ってみる?」
「は!?何言ってんだよ!さっきから、おかしいぞ!お前」
今、目をそらしてるけど、拒否じゃない。きっと葛藤してるのね。
可愛い。ちょっといじめたくなるわ。
「そうだ。今着ている下着、上下セットなの。見て」
「っ!!」
長いスカートを捲り、それを見せた。そしたら、更に真っ赤になっちゃった。
可愛い反応をしてくれる。これなら予想以上に楽しめそうだ。
「このショーツは紐で結んでるから、引っ張ったらほどけるの。簡単でしょ?」
「な、何が?」
「何がって、脱がす時に」
「……っ…??!!」
ふふっ。本当に可愛い。このまま食べちゃいたいわ。味見だけにしようとしたけど、ちょっと食べてみようかな。
あたしがハルクにゆっくりと近づこうとした時───
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