Alice swap I
『カメリアー!』
「っ!?」
もう復活してる!?不死身なの?あの人。やっぱり普通じゃないわ!私は急いで立ち上がって、ドアに耳をあて、様子を窺う。
『カメリアのやつー。どこに行ったんだ?……でも、あんなカメリアとヤんのも楽しそう。早く見つけてヤるぞー!どこだー!』
「……………」
恐ろしくなって、息が止まった。このライ様に捕まったら、絶対に逃げられない。
『待ってろよ、カメリアー!』
…………………………。
どうやら走り去って行ったようだ。しかし、油断は出来ない。ここに入って来られたら、まずいし。今のうちに出て、また違う場所に避難しなくては。
屋敷内で安全な場所。
……ない。カメリア様の姿でいられる場所なんてないよ!どうしたらいいの!?
「カメリア、大丈夫…?」
「カメリア様。具合悪いなら、すぐに休めるお部屋をご用意しますよ」
私はドアから耳を離し、後ろを振り返る。カルロ様とアンバーさんが私を心配そうに見ていた。
気持ちは嬉しいが、自分の部屋で休みたい。今は叶わないけど。それに部屋を用意してもらう前にライ様に見つかってしまう可能性もある。それだけは避けたい。
「ありがとうございます。お二人のお気持ちだけいただきます。それでは、私はこれで失礼します!」
「カメリア!」
二人に頭を下げて、書斎を出た。ライ様に見つからないように逃げなくちゃ。絶対に捕まりたくない。捕まれば、身の危険だわ!
カメリアの姿のアリスが部屋を出てから、カルロがアンバーを呼ぶ。
「今のカメリア、いつもと違くなかった?」
「違いますね。いつもならば、カルロ様を見た瞬間にあなたの腕に絡みながら、誘惑しますよね」
「俺の認識と同じだね。それなのに、どうしてだろう。カメリアというより、アリスと話してるような感じだったな…。アンバーはどう思った?」
「俺も同じですね。先程の彼女は、アリスに近かったです。カメリア様、あんな挙動はしないですし」
「確かに。アリスの方もいつもと様子が違うみたいなんだよね。リクが変な顔しててさ」
「変な顔ですか?アリスが笑わせてたんじゃ…」
「リク、笑ってなかったよ。むしろ、アリスを睨みつけてたんだから」
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