Cake
ハルクが部屋を出て、少ししてアリスがケーキと紅茶を持って、戻ってくる。
「あれ?タスク様。お坊っちゃまは一体、どこへ…?」
「ハルクはボルドーんとこ行った。すぐ帰ってくるよ」
「そうですか」
「オレも用は済んだし、部屋に帰る」
タスクは部屋を出て行った。
アリスがケーキと紅茶の準備していると、ハルクが部屋に帰って来た。
「お坊っちゃま」
「オレ……次の試験、頑張るから!」
「次の試験??」
アリスは不思議そうに首を傾げる。
「中間試験!それで全教科80点以上取ったら、アリスのお菓子を週一じゃなくて、週三にしてもいいって、ボルドーが言った!」
それを聞いて、アリスが驚く。
「執事長が許可したんですか?」
「ああ!取れた時には材料費もくれることも頼んでおいたからな!」
(お坊っちゃま、そういう時は抜け目がない…)
「よっし。そうと決まれば、今日から勉強を始めねェと。あ、あとでリク兄にも勉強を見てもらえるか、聞いてこよう」
「お坊っちゃま。まずはケーキを持ってきましたから、食べてください」
「やった。いっただきます!」
着替えもせず、用意されたケーキを喜んで食べるハルクをアリスはただ黙って見ていた───。
【END】