School Trip (中)




♪~♪♪~♪~♪~♪♪~♪

少しして、オレの携帯に知らない番号からかかってきた。取りあえず、通話ボタンを押す。



「もしもし」

『お坊っちゃまですか?』


向こうから聞こえてきたのは、聞き慣れたアリスの声。その声を聞いて、安心した。朝に会話したばかりなのに、随分前のように感じる。



「アリス…」

『良かった!繋がってー。さっきからいくらかけても、違う人が出て、何でだろうと履歴を見たら、どうやらかけた番号の最後の一桁を間違えて押していたみたいでして…』

「ドジ…」


だから、すぐにかかってこなかったのか。
いつも顔を会わせてしか話してなかったけど、たまには電話もいいなと思いながら、アリスと話していた。つい楽しくて、今日あったことを話す。

しばらくアリスと電話していると、部屋のドアをノックされた。おそらく教師だ。就寝時間前だし、部屋にいるかの確認に来たのだろう。

アリスに少し待ってもらい、ベッドからおりて、ドアの方に向かう。ドアを開けるとそこにいたのは、教師だった。確認が終わり、ドアを閉めて、急いでベッドに戻る。



「悪い。先生の確認だった!」

『もう就寝時間なんですね。あまり長く話してもいけませんし、そろそろ切りますね』

「なあ。明日もかけてもいいか?今度はオレからかけるから…」

『いいですよ。じゃあ、私の部屋の電話番号を言いますね』


ベッドサイドにあったメモとペンを見つけて、番号を書き記す。それを読み上げ、アリスに確認する。



『それじゃあ、おやすみなさい。お坊っちゃま』

「おやすみ…」


声が聞けて良かったけど、やっぱ顔が見たい。次にアリスと会えるのは、4日後。長い!取り合えず、明日も電話が出来るだけいいか。明日もあるし、そろそろ寝よう。



.
4/6ページ
スキ