School Trip (中)
夜。
やっと一日目が終わった。
旅行期間中は、一人部屋を与えられている。金持ちのヤツばっかだから、同室なんてしないだろう。風呂も大浴場があるみたいだが、オレは興味ねェから、部屋にあるシャワーでさっさと済ませた。
夕食を食べた後は、基本的に自由だ。アリスの話だとレクリエーションで何かゲームとかしていたらしいが、うちの学園はそういうことはしない。だから、オレは昼間のガイドの声を録音した話を聞いて、レポートに書いてまとめていた。
しばらくそれに集中していたら、時間は21時過ぎになっていた。
「……やべ。就寝時間になる前に電話しねェと!」
早速、屋敷にかけてみた。
だが、取った相手が悪かった。ボルドーだ。もう9時だし、アリスに替わってもらえるわけがない。てか、もう自分の部屋に帰ってるはず。
だから、一度切って、今度はアガットの携帯にかけてみた。アガットはすぐに出てくれた。
『お坊っちゃま、修学旅行はどうですか?』
「んー、まだ楽しいとは感じねェかな。明日も今日と同じようなもんだし」
『そのうち楽しくなりますよ。そういえば、アリスさんにはかけたんですか?』
「……まだ。アリスの部屋の電話番号、わかんねェし」
『そうですか。俺も流石にアリスさんの部屋の電話番号はわからないですし。あ、ちょっと聞いてみますから、一度切りますね!』
そう言い、珍しくアガットが先に切った。
てか、誰に聞くんだ?アリスに?いや、もうアガットもアリスも部屋に戻ってるよな…。
仕方なく、その場で待機する。
.