Summer Story

お風呂には入った。夜食やスープも持ってきた。完璧だわ!

一応、メイド長には言っておいたら、リク様が執事長にも伝えてあったらしい。くれぐれも問題を起こさないようにと伝言があった。私、トラブルメーカーと思われてる??



「リク様、お待たせしました!」


待ち合わせの時間を少し過ぎてしまい、駆け込む。シアタールームに来ると、リク様…だけじゃなかった。何故かカルロ様とお坊っちゃまがいた。
え、なんで??



「アリスさん。すみません。いきなり人数が増えてしまって…」

「い、いえ…」


本当は残念だったけど!
せっかくの二人きりが…。リク様とのイベントが。ゲームならスチル回収出来ていたはずなのに。



「タスクも誘ったけど、明日朝早くから出かけるんだって。すごい来たがってたけど」

「タスクもホラー映画、好きだからね」

「そう。ここにいるハルクと反対にね」


そうだよ。
お坊っちゃま、怖いの嫌いなのに、何でいるの?



「お坊っちゃま。これからホラー映画を観るんですよ!?お好きなアクション映画じゃないですよ?」

「ホ、ホラー映画くらい観れるし…」


そう言っても、目が泳いでるけど。何で来たの??肝試しの時も嫌いと言いながら、来ていたし。

実は好きなの?たまにいるのよ。怖いと言いながら、心霊番組を観る人とかね。そういう人に限って、あとから後悔するのよね…。



「お坊っちゃま。観たくないなら、無理に観なくても」

「オ、オレもこれ観たいと思ってたし!」


(※絶対に嘘だと二人の兄は思っていた。ハルクがいるのは、アリスがいるからである)

席順は入口近くからカルロ様、リク様、私、お坊っちゃまとなった。
何故こうなったか。お坊っちゃまがカルロ様の隣は嫌だと拒否をしたのです。前にタスク様と二人でお坊っちゃまを驚かしたことがあるそうで、それを未だに根に持ってるようです…。
それを聞いたリク様は、呆れていましたけど。

全員座り終えてから、リク様がリモコンで再生ボタンを押す。

始まる!楽しみだなー。すると、隣のリク様が話しかけてきた。



「楽しみですね」

「はい!」



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