Summer Story

「ふんふんふーん♪」

「お前、随分機嫌いいな」

「それはそうですよ!リク様と一緒に映画…」

「リク兄と映画??」


お坊っちゃまには言わない方がいいわよね。ホラー映画だし。せっかくリク様と二人で観られるのに…。え、二人きり!今更ながら、ちょっと緊張してきたわ。



「アリス?なあ、アリス!」

「……はっ!何でもありません!あ、私、用がありますので、少し席を外しますね」

「ちょっ…アリス!」


お坊っちゃまの声を振りきって、私は部屋を出る。さて、夜の為に何か用意しておこう。

その後、使用人用のキッチンの隅で夜でも軽く食べられるものを作り、スープと夜食を一緒に邪魔にならない場所に置かせてもらう。

よし。出来た!
さ、お坊っちゃまの部屋に戻らないと。




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