Summer Story

掃除を終わらせて、お坊っちゃまの部屋に向かおうと廊下を歩いていたら、リク様に会った。



「アリスさん」

「リク様、おかえりなさい!」

「ただいま帰りました」


リク様の手には、鞄の他に何か袋を持っていた。



「何か買われたんですか?」

「いえ、借りたんです。大学の先輩から」


そう言って、リク様が見せてくれたのは、Blu-rayが数本。国内と外国それぞれのホラー映画ばかりだった。その中にあるタイトルを見て、私はつい声を上げる。



「あ!これ、結構怖いって聞いたんですけど」

「ええ、映画が公開する前にCMでよくやってましたよね。友人でこのCMを見て、怖いって言ってましたからね」

「私、これ気になってたんですけど、観れないままだったんですよね。この映画も観たいと思ったまま、まだ観れてなくて…」

「じゃあ、一緒に観ませんか?」

「えっ…」


リク様と一緒に映画!?
そんな簡単に起きていいイベントなの?



「あ、嫌でしたら…」

「違います!観たいです!一緒に観てもいいですか?」

「はい。勿論です」


やったー!
私は、心の中で大いに叫んだ。リク様と一緒に映画を観られる!!

そんなわけで、夜にシアタールームで一緒に観ることになった。そう話してから、リク様と別れた。



映画観るだけだけど、飲み物とか用意した方がいいかな?ポップコーンとかでもいいよね。幸い、私は明日お休み。夜ふかししても問題はない。早く夜にならないかなー。


.
1/10ページ
スキ