Fellow

「皆さん、おつかれさまです」


そう言ったジョーヌが呼んだ相手は、アガットだった。



「アガット!?」

「来て大丈夫なのか?アガット」

「はい。ジョーヌさんから連絡もらった時は、既に自分の部屋にいたので、特に問題はありません。裏仕事もない日でしたし」

「ジョーヌ。アガットを呼んだんだ」

「ええ。口が固く、他人に話したりしない。更に迎えを拒否したりしないのは、アガットだけですからね!」

「確かにその人選は間違ってないな。アンバーはお喋りだし、クロッカスはリク以外の相手には動かないし、メイズとオーキッドはまだ免許は持ってない。ピアニーとセージも素直に来てくれるヤツでもない。そうなると…」

「アガットしかいない」

「俺、まるで消去法で選ばれたみたいですね」


アガットの発言に俺達は青ざめる。俺達、今なんて言った!?



「ち、違うよ!アガット。オレはアガットが来てくれて嬉しいからね」

「うん!アガットが来てくれたから、私達は帰れるんだから」

「そうですよ!消去法で選んだんじゃないですからね」


皆が必死にフォローする。そんなつもりはなかったが、そうだと思われるように言ったこっちが完全に悪いからな。
俺はアガットに車のキーを渡しながら、謝る。



「すまないな。アガット。運転を頼んじまって…」

「いえ、謝らないでください。ノワールさん。それに明日はお坊っちゃまも学校はお休みですから。さ、皆さん。車に乗ってください」


アガットに運転してもらい、俺達4人は屋敷に帰ってこれたのだった───。





【END】
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