Rainy day【前編】

……。
やっぱり暇だ。これじゃあ、朝まで持たない。時間を見ようにも腕時計は止まってるし。

うーん、何か本でも借りたい。
私は立ち上がり、毛布にくるまったまま、その部屋を出て、隣の部屋のドアを開ける。



「失礼します…」


隣の部屋に入る。ここも鍵はかかっておらず、さっきの部屋とは違い、本棚がギッシリと並び、沢山の本が置かれていた。

すごい。本が沢山ある!早速、近くにあった本を取り出してみる。が、難しい本でまったく読めなかった。これは私が読める本じゃないな。他に探してみよう。

奥の方に行くと、ようやく小説が置いてあった。
あー。これ、読んでみたかった本だ!勝手に持ち出すのも悪いから、ここで読もう。どうせ朝まで出られないんだから。そうと決まれば!

私はその場に座り込み、本を読み始めた。


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