Friend

「ハルクじゃないか」

「ツツジ…」


げ、イヤなヤツに会っちまった。

昔から気に食わねェヤツだった。
中学に入ってから、やたら絡んでくるようになったソイツは、親父の双子の姉の子供。

ツツジ・セミフレッド。


入学してから、周りにやたら顔が似ていると言われたこともあるが、そう思ったヤツらは絶対目がおかしい。オレとコイツのどこが似てんだよ。全然似てねェし!
オレは、こんな陰険じゃねェ。



「アメジスト叔父さんの子供なのに、全然だめだな」

「うっせェ。親父は関係ねェだろ」

「昔からいる先生に聞いたことあるが、アメジスト叔父さんはかなり優秀で、試験では毎回ベスト3以内に入っていたって。お前の母親も優秀だったとも聞いた。それなのに、その血を受け継がなかったんだな、お前。かわいそうに」


マジでうぜェ!
何でオレ、こっちに来ちまったんだ。近道なんかしようとしたせいで、コイツと会っちまった。素直に行けば、会わずにすんだのに。くそ!



「兄弟の中でもお前が一番出来が悪いよな。運動しか出来ないもんな」

「んだと!」

「ほら、すぐにキレる。まるでヤンキーだな。見た目からしても頭悪そうだし」

「は?マジでお前、オレに喧嘩売ってるよな?買うぜ!」

「すぐに手が出る単細胞。本当にバカだ」


流石に頭にきて、ツツジと言い合っていたら、「そこ、何をやっているんだ!」と教師がやって来た。しかも、教師が学年主任だったから最悪だ。



「すみません。先生、お騒がせしてしまいまして」

「セミフレッドくんか。一体、どうしたんだ?」

「ちっ。優等生の仮面、かぶりやがって…」


ツツジからオレにケンカ売ってきたくせに、教師の姿を見るところっと態度を変える。しかも、この教師もオレとツツジで明らかに態度が違う。



「ドルチェ。少しはセミフレッドくんを見習え!なんだ、その制服の着方は。ちゃんと着ろ!」

「……」


教師からの信頼あるのは、アイツなんだよな。成績も上位だし、制服もちゃんと着てるから、何かあればオレばかり注意される。
そんな姿を見て、嘲笑うから余計に頭くんだよ!今も。教師の後ろから、オレをバカにしたように笑っていた。



「……くっだらねェ」

「ドルチェ!なんだ、その態度は。待て!話は終わっていないぞ!!」


うるせェ教師なんか相手にしてられるか。オレはさっさとそこから逃げ出した。





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