お弁当を食べに、テラス席に向かい、空いてる席を探す。が、なかなか見つけられない。すると、



「カルロ様。席を探していらっしゃるなら、ここを使ってください！」

「え、でも…」


見知らぬ人がカルロ様に話しかけて、席を使ってくださいと言ってきたのだ。



「いいんです！私達は別の場所に行くことになりましたので。良かったら、どうぞ」

「そうですか。それなら使わせていただきますね。ありがとうございます」

「いえ、それでは」


その人達は荷物を持って、去っていく。私は頭を下げて、見送った。



「お前、すげーな」

「女ウケはいいからね、カルロ」

「本当にすごいですね。何もしてないのに、周りを動かさせるとは…」

「君らは好き勝手言って…。そのお陰で席は譲ってもらえたんじゃないか」

「カルロ様、ありがとうございます。それでは、食事にしましょうか？」


私達はようやく昼食を取った。





【後半に続く】