小ネタ集14

【ホラー映画あるある】
※会話文のみ。



カ「ホラー映画観てるとさ、よくホラー映画あるあるがあるよね。若い男女のグループで休みを利用して、人里離れたところに旅行に来るとか」

リ「あるね。その中の誰かがやってはいけないことをやっちゃうんだよね。そこから巻き込まれて」

カ「そうそう。現実にそんなやつがいたら、どう?リク」

リ「それはその人に責任を取ってもらうしかないよね。身をもって、ね」

カ「リクは相変わらず怖いな…」

ア「ホラー映画観てると、女性が裸になって、シャワー浴びてると襲われたりしますよね?」

カ「そうそう。カップルがヤッてる最中にも襲われたりもね」

ア「たまに観てて、そういう気まずくなるシーンもあります」

カ「この映画にもあるみたいだね」


画面は、主人公達のグループにいた恋人の二人が見つめ合い、キスをしていた。外国映画によくある濃厚なキスを。アリスが思わず隣にいるハルクの目を隠す。



ハ「な、何すんだよ!アリス」

ア「お坊っちゃまにはまだ早いのと刺激が強いので見せられません!」

ハ「お化けとか出てるわけじゃねェんだし、見せろって!」

ア「18歳未満は禁止です!」

ハ「それならアリスもダメじゃん!」

ア「私は10月で18歳になるからいいんです!」

ハ「へりくつだー!」

リ「ハルク、静かにして。部屋に帰ってもいいんだよ?」

ハ「…ごめん」


一人部屋に帰されるのを怖れたハルクは黙った。
そして、カップルは盛り上がって、エッチなことを始めたのである。しかも、女性は全裸で映っており、同性のアリスでさえ、顔が真っ赤だった。
(※しかし、部屋の中が薄暗いため、気づかれてはいない)

室内は、女性の嬌声と息づかいしか聞こえず、アリスは気まずくてたまらない。

ふと目を隠しているハルクに目をやる。すると、アリスはハルクから手を離すと、彼を自分の膝に乗せて、抱きしめた。こうすれば、ハルクには映画の画面が見えないし、自分も彼を抱きしめて心を落ちつけられると、正に一石二鳥だった。



ハ「……っ、アリス…?」

ア「まだ観ちゃだめですからね」

ハ「……うん…っ」


それを見ていたリクとカルロは、ハルクに同情の目を向けた。



カ「アリス、わかってないだろうね」

リ「あれは反対にハルクが意識しちゃうだけなんだけどね」

カ「画面観なくても、耳には喘ぎ声が聞こえてるからな。ハルクにはある意味、拷問…」

リ「拷問だね。頑張って、ハルク…」


今も目線でハルクが二人の兄に訴えるも、兄達は無言で手を上げるだけだった───。





【END】
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