小ネタ集14
【似た者親子】
カメリアが家に帰ると、母親に出迎えられた。
「カメリア。アメジストの屋敷へ行ってたの?」
「ママ。ええ、ライと遊んでいたわ!楽しくて」
カメリアの露出高い服の隙間から、赤い痕が沢山ついていた。アメジストの息子のライは、アメジストと同様、いや、それ以上に遊びまくっていると聞く。男女関係なくということも。
それにシトリンは思っていた。カメリアは昔の自分にそっくりだと…。
「パパが帰る前にシャワー浴びて着替えなさい。あなたの今の格好を見たら、気絶するから」
「わかってるわ!そうだわ。ママ、聞いて!カルロとリクにも会ったんだけど、全然相手にしてくれないの。どうしたら、遊んでくれるのかな?」
シトリンは、アメジストの息子達を思い出す。最後に会ったのは、長男のカルロが高校を卒業した年だ。
カルロも確か、外見から女が寄ってくるから、女遊びが派手だと聞いたことがある。色気もあるから余計に。そこら辺はアメジスト譲りなのだろう。
一方、カルロに比べると地味に感じてしまうのが、次男・リク。彼は女遊びはしないらしく、真面目な印象。しかし、ふと見せる仕草から、色気を感じるから、この子も場合によっては大分変わるはずだ。何よりアメジストに一番似ているのだから。
しかし、あのガーネットが産んだ子供にしては、どちらもかなりの優秀だ。上二人が優秀だからか、三男のライに至っては、雲泥の差だけれど。
しかし、ライも得意なものと苦手なものがハッキリしているため、得意なものに関しては、カルロやリクを上回るようだ。
「リクはともかく、カルロなら見境ないんじゃないの?」
「全然相手にしてくれない!もう夜這いするしかない!!」
「あなた、婚約者いるでしょ?」
「そうだけど。カルロの子供が身籠ったら、カルロと結婚が出来るじゃない!」
「それはアメジスト次第ね…」
おそらくアメジストならば、セミフレッド家からもらうことも考えてないわけではないだろう。息子達は家柄のある娘と一緒にしようとしているから。
「でも、実は私、下の三人も狙っているのよね」
「下の三人?」
「そう。タスク、ハルク、ドラ。ドラはまだ小学生だから、手は出さないけど、他にはないあの目立つ容姿が気に入ってるの。タスクとハルクは中学生だけど、やっぱり外見は周りから飛び抜けて群を抜いてるわね」
ドラはアルビノで、あの外見から昔から心もとないことを言われ傷つき、他人に対して攻撃的になったと聞く。母親はアルビノではなかったはずだ。線は細いタイプだったが。
タスクとハルクは、モモが産んだ子供。昔からアメジストのことを慕っていて、アメジストもモモのことは妹のように可愛がっていたし。
そういえば、アメジストが結婚したのはモモだけ。他は子供を認知するだけだった。
カメリアの話を聞いて、四男・タスクには婚約者がいたはず。スプモーニ家の令嬢・リコリス。当初は同い年のハルクとさせるつもりだったらしいが、いつの間にか彼に変わっていた。
ハルクはアメジストの息子達の中で一番の問題児だ。学園で周りの子を怪我させるくらい暴れ、手に負えず、よく同い年のツツジが他クラスだったけれど、あの子の話ばかりしていたし。ツツジはハルクのことを意識しているからもあるけれど。
「全員と関係を持ちたいの?」
「そうよ!侍らせたいの。だって、ドルチェ家の兄弟のように全員レベルが高いなんて滅多にいないし。誰の子を身籠っても、キレイな子が出来るじゃない!」
「それは否定しないわね。私も若ければ、そう思っていたわね」
「ママも?でしょ?」
シトリンは否定しなかった。本当にカメリアは自分とそっくりに育っていた。
「カメリア。それで例のモノは?」
「うふふ。抜かりはないよ、はい」
カメリアが母親であるシトリンに何かを渡す。それを見て、彼女は笑う。
「やっぱりそっくりだわ。この子も可愛く啼いてくれるかしら。コーラルのように…」
「コーラル?誰?ママの初恋の人?」
「初恋ではないけれど、忘れられない子ではあるわね。この子ほど私を夢中にさせてくれた子はいなかったから」
シトリンは数えきれないほど、色んな男と遊んだ。今もそうだが…。その半分以上はシトリンが主体で相手を啼かせてきた。
その中でも彼女の一番好みとなったのが、昔ドルチェ家に売られた双子の片割れのコーラル・スノーホワイトだった。
シトリンの中で彼は別格だった。見た目が可愛いのもあったが、一番は目だった。左右の目の色が違うオッドアイ。その目に一目で心を奪われた。コーラルの目がキラキラと宝石のように見えたのだ。コーラルの片割れのエメラルドの目もキレイだったが、コーラルほどではない。
「パパより?」
「パパよりね。本当だったら、今も手元に置いておきたかったけれど、あの女のせいでこの子は変わってしまったから…」
シトリンの中でとある女の姿が思い浮かぶ。
インディゴ・ダイヤモンド。
あの女さえ消せば、またコーラルが戻ってくると思った。なのに、コーラルはあの女と共に逝ってしまった。
コーラルが死んだのはショックだったが、シトリンは見つけてしまった。コーラルの代わりになる青年を。それはコーラルの長男のアガットだ。
今はドルチェ家でハルクの専属執事をしている。性格も真面目で穏やかな弟思いの青年と聞いた。コーラルもよくシトリンの弟だったアメトリンの面倒をよく見ていたからだ。
この子こそ、私のものにしたい。
檻の中に閉じ込めて、逃げ出せないように。
私だけしか見えないようにするの。
「ママ、悪いことを考えているでしょ?」
「あら、違うわよ。楽しいことを考えていたのよ」
ああ、早くこの子を手に入れたい。啼かせたい。コーラルと同じ顔ならば、可愛く啼いてくれるはず。
あなたも私を求めてくれるわよね?
アガット・スノーホワイトくん。
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カメリアが家に帰ると、母親に出迎えられた。
「カメリア。アメジストの屋敷へ行ってたの?」
「ママ。ええ、ライと遊んでいたわ!楽しくて」
カメリアの露出高い服の隙間から、赤い痕が沢山ついていた。アメジストの息子のライは、アメジストと同様、いや、それ以上に遊びまくっていると聞く。男女関係なくということも。
それにシトリンは思っていた。カメリアは昔の自分にそっくりだと…。
「パパが帰る前にシャワー浴びて着替えなさい。あなたの今の格好を見たら、気絶するから」
「わかってるわ!そうだわ。ママ、聞いて!カルロとリクにも会ったんだけど、全然相手にしてくれないの。どうしたら、遊んでくれるのかな?」
シトリンは、アメジストの息子達を思い出す。最後に会ったのは、長男のカルロが高校を卒業した年だ。
カルロも確か、外見から女が寄ってくるから、女遊びが派手だと聞いたことがある。色気もあるから余計に。そこら辺はアメジスト譲りなのだろう。
一方、カルロに比べると地味に感じてしまうのが、次男・リク。彼は女遊びはしないらしく、真面目な印象。しかし、ふと見せる仕草から、色気を感じるから、この子も場合によっては大分変わるはずだ。何よりアメジストに一番似ているのだから。
しかし、あのガーネットが産んだ子供にしては、どちらもかなりの優秀だ。上二人が優秀だからか、三男のライに至っては、雲泥の差だけれど。
しかし、ライも得意なものと苦手なものがハッキリしているため、得意なものに関しては、カルロやリクを上回るようだ。
「リクはともかく、カルロなら見境ないんじゃないの?」
「全然相手にしてくれない!もう夜這いするしかない!!」
「あなた、婚約者いるでしょ?」
「そうだけど。カルロの子供が身籠ったら、カルロと結婚が出来るじゃない!」
「それはアメジスト次第ね…」
おそらくアメジストならば、セミフレッド家からもらうことも考えてないわけではないだろう。息子達は家柄のある娘と一緒にしようとしているから。
「でも、実は私、下の三人も狙っているのよね」
「下の三人?」
「そう。タスク、ハルク、ドラ。ドラはまだ小学生だから、手は出さないけど、他にはないあの目立つ容姿が気に入ってるの。タスクとハルクは中学生だけど、やっぱり外見は周りから飛び抜けて群を抜いてるわね」
ドラはアルビノで、あの外見から昔から心もとないことを言われ傷つき、他人に対して攻撃的になったと聞く。母親はアルビノではなかったはずだ。線は細いタイプだったが。
タスクとハルクは、モモが産んだ子供。昔からアメジストのことを慕っていて、アメジストもモモのことは妹のように可愛がっていたし。
そういえば、アメジストが結婚したのはモモだけ。他は子供を認知するだけだった。
カメリアの話を聞いて、四男・タスクには婚約者がいたはず。スプモーニ家の令嬢・リコリス。当初は同い年のハルクとさせるつもりだったらしいが、いつの間にか彼に変わっていた。
ハルクはアメジストの息子達の中で一番の問題児だ。学園で周りの子を怪我させるくらい暴れ、手に負えず、よく同い年のツツジが他クラスだったけれど、あの子の話ばかりしていたし。ツツジはハルクのことを意識しているからもあるけれど。
「全員と関係を持ちたいの?」
「そうよ!侍らせたいの。だって、ドルチェ家の兄弟のように全員レベルが高いなんて滅多にいないし。誰の子を身籠っても、キレイな子が出来るじゃない!」
「それは否定しないわね。私も若ければ、そう思っていたわね」
「ママも?でしょ?」
シトリンは否定しなかった。本当にカメリアは自分とそっくりに育っていた。
「カメリア。それで例のモノは?」
「うふふ。抜かりはないよ、はい」
カメリアが母親であるシトリンに何かを渡す。それを見て、彼女は笑う。
「やっぱりそっくりだわ。この子も可愛く啼いてくれるかしら。コーラルのように…」
「コーラル?誰?ママの初恋の人?」
「初恋ではないけれど、忘れられない子ではあるわね。この子ほど私を夢中にさせてくれた子はいなかったから」
シトリンは数えきれないほど、色んな男と遊んだ。今もそうだが…。その半分以上はシトリンが主体で相手を啼かせてきた。
その中でも彼女の一番好みとなったのが、昔ドルチェ家に売られた双子の片割れのコーラル・スノーホワイトだった。
シトリンの中で彼は別格だった。見た目が可愛いのもあったが、一番は目だった。左右の目の色が違うオッドアイ。その目に一目で心を奪われた。コーラルの目がキラキラと宝石のように見えたのだ。コーラルの片割れのエメラルドの目もキレイだったが、コーラルほどではない。
「パパより?」
「パパよりね。本当だったら、今も手元に置いておきたかったけれど、あの女のせいでこの子は変わってしまったから…」
シトリンの中でとある女の姿が思い浮かぶ。
インディゴ・ダイヤモンド。
あの女さえ消せば、またコーラルが戻ってくると思った。なのに、コーラルはあの女と共に逝ってしまった。
コーラルが死んだのはショックだったが、シトリンは見つけてしまった。コーラルの代わりになる青年を。それはコーラルの長男のアガットだ。
今はドルチェ家でハルクの専属執事をしている。性格も真面目で穏やかな弟思いの青年と聞いた。コーラルもよくシトリンの弟だったアメトリンの面倒をよく見ていたからだ。
この子こそ、私のものにしたい。
檻の中に閉じ込めて、逃げ出せないように。
私だけしか見えないようにするの。
「ママ、悪いことを考えているでしょ?」
「あら、違うわよ。楽しいことを考えていたのよ」
ああ、早くこの子を手に入れたい。啼かせたい。コーラルと同じ顔ならば、可愛く啼いてくれるはず。
あなたも私を求めてくれるわよね?
アガット・スノーホワイトくん。
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