小ネタ集12

❰BIG or SMALL?❱


談話室にライ以外の兄弟がいた。
各々で話したり、何かを書いていたりしているところへライが現れた。



ラ「はい!みんな、注目ー!」

カ「何事?」

リ「何を始めようとしてるの?ライは」

ド「またしょーもないことじゃない?ライだし」

ラ「たまには兄弟で話してみたくてさ。じゃあ、今回のテーマはこれ!メイド達の胸の大きさについて!」


ライの発言にカルロは頭を抱え、リクは真顔になり、タスクは興味なさそうに、ハルクとドラは呆れた。



カ「ライ…」

ド「メイドの胸なんて、どうでも良くね?」

リ「もっと他になかったのかな?」

タ「リク兄が笑顔でライを責めてる」

ハ「よっぽどくだらねェと思ってたんじゃねーの?」

ラ「リク兄。その表情、めちゃくちゃクる!もっと見て!!」

リ「……弟が気持ち悪い」

ド「きもっ!」

タ「リク兄がライにドン引いてる。そりゃあ、あんな顔をされたらね…」

カ「それでライ。どうして、そんな話になったのか説明してくれる?」

ラ「俺さ、昨日仲良いクラスメイトの家に友達数人で遊びに行ったんだよ。うちみたいに使用人が大勢いる屋敷でさ」

リ「ライがよその家に遊びに行った!?」

タ「しかも、友達数人と一緒に!?」

カ「乱交パーティーとかでもなく、普通に遊んだのか!?」

ハ「てか、お前に友達いたの!?」

ド「明日、雪でも降るんじゃない!?」


全員が絶句していた。そんな兄弟達の反応にライはムッとする。



ラ「俺にだって友達はいるって!数少ないけどさ」

カ「ライと仲良く出来るのは、相当人間が出来てるか、同類かのどっちかだろうな」

ド「そんなの同類でしょ?」

タ「まともな人間ならライを相手にしないよな」

ラ「お前らひどくね?あ、話、戻すぜ。そこにもメイドいたんだけどさ、顔はいいんだけど、貧乳ばっかだった」

一同「……」

ラ「その点、うちにいるメイド達、胸があるよな!」

リ「そんな風に考えたことはないからね」

ド「胸とかどうでもいい。仕事がちゃんと出来るかどうかじゃない?」

カ「ライには大事なことなんじゃない?」

ラ「大事!そんなわけで、俺がうちにいるメイド達の胸の大きさをランキングにしてみた!」

ド「最悪なランキング。それは誰が得をするわけ?」

タ「ライだけじゃね?」

ラ「んなことねーし。俺だけだと偏るから、執事のやつらにも何人かにも協力して聞いてみた!それがこれ!」


ライがテーブルの上に紙を置く。兄弟達はその紙を見る。紙にライの書いた字で書かれていた。



ド「字が汚い。小学生のオレよりもひどいんだけど」

リ「うーん。もう少し綺麗に書けなかったの?内容はともかくとして、人に見せるものなんだから」

ラ「リク兄、ドラ!俺の字じゃなくて、中身を見てくれよ!!」

カ「どれどれ…」





ドルチェ家で働くメイド達の胸の大きさランキング!とデカデカと書かれ、その下に順位と名前があった。

1ジョーヌ、2チグサ、3ベゴニア、4アリス、5エクル、6ライラック、7テラコッタ…


と、今現在屋敷にいるメイド達全員分あった。更に名前の横にも何故か彼女達のバストサイズが書かれていたのである。



カ「全員のサイズまで書いてある。怖いな…」

リ「彼女達に失礼じゃないかな?これ」

タ「ライ。これ、マジな数字なわけ?適当に書いてねー?」

ラ「マジだよ。ニイロが目視でわかるみたいで、たまたま近くにいたメイドの胸のサイズを当てて、殴られてたから」

ド「最悪じゃん…。うちの執事達もスケベでバカなヤツしかいねーのかよ!」

カ「全員じゃないでしょ?こういうの考えてそうなのはナエ達辺りかな…」

ハ「……」

タ「ハルク。お前、さっきからアリスのところしか見てないだろ?」

ハ「違っ…!昼間、メアがアリスの胸を触ってた時に“メイドの中でベスト5に入るくらいの大きさ”だとか言ってたから、当たってると思って…」

タ「メアがアリスの胸、触ってた!?それをお前は羨ましいと思いながら見てたの?」

ハ「思ってねェよ!」

タ「嘘つき。普段からアリスの胸、見てるくせに!」

ハ「見てねェし!」

タ「嘘つくなよ!お前、海に行った時とかすげー見てたじゃん!」

ハ「あ、あれは…その!」

カ「確かに。アリスって、結構…」

リ「カルロ兄さん?それ以上言ったら、どうなるかわかってる…?」

カ「リク!怖い。怖いから!その顔、やめて!」


カルロが隣にいるドラの後ろに隠れる。それを見て、リクが呆れていた。「すぐ弟の後ろに逃げないでよ」と言いながら。



ラ「メアのことだけどさ。あいつ、羨ましかったんじゃね?自分の胸がねーから」

カ「だから、メイドの娘達を見ていたのか」

ド「見ていたからって、胸が大きくなるわけじゃないのに?」

ラ「ま、そうなんだけどさ」

リ「ライ。この紙は誰にも見られないようにさっさと処分するんだよ?こんなのメイドの娘達に見られたら、絶対に怒るから」

カ「確かに。彼女達からしたら、気分良いものじゃないからな」

ラ「わかったって」


しかし、ライの書いた紙はちゃんとゴミ箱に入れたはずだった。だが、ゴミ箱から落ちて、拾われてしまい、メイド達に知られることとなる。

そして、元凶であるライと一部の執事達は罰を課せられたのである───。



ラ「何で俺が罰掃除をしなきゃいけねーんだよ!」

メ「当たり前でしょ?あんなランキング書いてたら、誰だって怒るわよ」

カ「そうだよ。彼女達の代わりに掃除することで許してくれるならいいだろ。はい、口を動かさずに手を動かす!」

ラ「何で俺ばっか…!」

リ「ライ。反省が足りてないみたいだね」

ラ「リク兄…」

リ「反省が足りないようだから、掃除を更に追加するよ!こうなると思って、ボルドー達に掃除場所を聞いておいたから」

ラ「勘弁してー!リク兄!!」

リ「だめ。あと5分でここは終わらせて。次は…」

カ「リクはライにやたら厳しいな…」

メ「でも、いきいきしてるわよ」


その様子をたまたま見かけたアリスは、不思議そうに見ていた。



ア「ライ様、一体何をやらかしたんですか?」

ハ「え、お前、知らねェの?」

ア「はい。お坊っちゃまは知ってるんですか?」

ハ「知ってるけど…言わねェ」

ア「教えてくださいよ!」

ハ「他のヤツに聞けば?」


アリスが事実を知ったのは、もう少し後───。


















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