小ネタ集11


※こちらのみ今回の物語・Rainy dayと関係ない小ネタになります。



ある日曜日の昼間。
談話室にて、ライ以外の兄弟が揃っていた。



カ「ふと思ったんだけどさ、親父の好みって髪が長い女性ばかりだよね」

リ「どうしたの?カルロ兄さん。いきなり…」

カ「いや、こないだセレストさんがそんなこと話してくれてさ。元婚約者、俺達の母親、タスク達の母親、ドラの母親。全員がそうなんだって。たまに遊ぶ女もほぼそうらしい」

ハ「親父の好みなんて興味ねェよ」

カ「何言ってんだ?お前も親父の影響は受けてるからな」

ハ「受けてねェし」

カ「そうか?お前の好みは、髪が長くて、料理上手で優しい女の子だろ?」

ハ「ち、違ェよ!」

ド「合ってるじゃん」

タ「合ってるよ。更につけ加えると、年は5つ上、名前はアリス、胸も大きくて…」

ハ「わー!わー!やめろ!!」

カ「最早、好みのタイプではなく、好きな相手だな」

ド「公開処刑じゃん…」

ハ「カルロだって、髪の長い女と一緒にいるじゃん!オレ、何度も見たことあんだぞ!見る度に女が違うし。しかも、派手な女ばっか!」

カ「そういう娘達の方が後腐れもないから、楽なんだよね」

リ「でもさ、カルロ兄さん。どっちかというと清楚な女性の方が好きでしょ?」

カ「リク、何言って…!」

リ「髪が長くて、真面目で優しい。更にはよく笑ってくれる人」

タ「ん?何か誰かと好みが一致してる」

ハ「何でオレを見るんだよ!」

タ「お前のタイプとまったく同じだからだよ」

カ「そんなことないから!」

ド「そういえば、カルロもアリスとよく話してるよね。最近は例の親衛隊よりも…」

カ「話すくらいはするだろ!」

ハ「それだけじゃねェ!!前に遊園地でアリスと遊んだじゃん!」

カ「あれは偶然そうなっただけで…。お前だって、アリスと遊園地に行っただろ!」

リ「アリスさんがハルクに作ってる手作りのお菓子もよく食べに行ってたよね?」

ハ「今でもたまに来る!特にケーキ類だとかなりの確率で」

カ「アリスの作るケーキ、甘さが丁度いいからさ」

ド「カルロもアリスのお菓子にハマってるじゃん。ハルクと同レベル」

タ「結局はカルロもハルクと好みのタイプが一緒なんじゃない?」

カ「タスク!」

リ「カルロ兄さん、素直になりなよ。もう認めた方が楽だよ?」

カ「リクまで!俺の味方がいない…」

ド「安心してよ。元からいないから」

タ「ドラがトドメを刺しちゃったよ」

リ「仕方ないよ。本当のことだし」

ド「オレよりもリク兄が更なるトドメを刺したよ」

ハ「もう放っとけよ。そのうち復活するって」

タ「それもそうだな。次、次!」

ド「オレも髪が長くて、優しい人は好きかも」

ハ「は!?」

ド「別にアリスだとは言ってないよ、オレ。アリスのことは気に入ってるけどね」

ハ「だったら、最初から…!」

ド「早とちりしたのは、そっちじゃん。お前、本当にアリスのことになると、すぐ嫉妬する。心が狭すぎ」

ハ「……………うっ」

タ「オレはリコリス一筋だけど。リコリスがいなかったら、アリスもいい線行ってたかもな。ま、リコリスには敵わないけど!」

カ「リコリス嬢も髪が長くて、優しいには当てはまってるよな。何でリコリス嬢はダメだったの?ハルク」

ハ「はあ!?リコリスは友達だし、そんな風に考えたことねェもん!」

リ「アリスさんにしか興味ないんだね、ハルクは」

カ「さっきから関係ないって顔してるリク。お前の好みも当ててあげるよ」

ド「カルロ、さっきのまだ根に持ってる…」

タ「よほどのダメージを受けたんじゃねーの?」

カ「お前も髪が長くて、優しい娘が好きだろ?更に同じ本の趣味を持っていれば、なおよし」

リ「そうだね。否定はしないよ」

カ「あと、お前の場合、女性に触られるのも触るのも苦手だから、自ら触っても平気ならますます絞られる。あれ?それに当てはまる娘が一人いるな…」

リ「誰を言いたいの?兄さん」

カ「お前も親父の影響は受けてるってことだよ」

ド「なんだ。結局、リク兄も一緒ってことか」

ラ「何の話、してんの?」

ハ「ライかよ。好みの女の話」

ラ「ああ!皆、アリスが好きじゃん!」


ライの発言から、シーンとなる談話室。だが、彼は空気を読まず、まったく気にせず続ける。



ラ「もちろん、俺もアリスが好きだぜ!」

カ「………ライ、ちょっと待って。何でそう断言してるの?」

ラ「屋敷にいると、大体アリスの横に誰かしらがいるの見るし。一番多いのはハルクだけどさ、ここにいる全員、アリスと話しているの見たことあるぜ」

リ「まさか、ライに指摘されるとは思わなかったかな」

ラ「??」

カ「親父の血は強いんだな…」

リ「どういうこと?」

カ「セレストさんに聞いたけど、親父の元婚約者が金髪ロングの人だったって。しかも、優しかったって」

リ「……遺伝なんだね」

ラ「好みの女の話だよな?俺は…」

ド「お前の女の好みは、オールラウンドじゃん」

ラ「好みじゃねータイプもいるぜ?」

カ「お前は遊んでそうなギャルからおとなしそうな女の子にまで構わず、手を出しまくってるだろ。こだわりなんてないじゃないか」

ラ「まあ、外れてはねーな。あ!でも、Sっぽい女はあんまタイプじゃねーな。気分最高な時はいいけどさ、最悪な時は殺したくなりそうになるから。ムカついてさ。Mっぽい女も同じだ」

リ「ライ。もう少し考えて話して」

ラ「何で?好みじゃねー女の話だろ?」


コンコン。
そこへ談話室のドアをノックされた。



??「失礼します」


そう言って、談話室に入って来たのは───



ア「あ、やっぱりここにいたんですね!お坊っちゃま」

ハ「アリス!?」

ア「あれ。皆様、どうかしました??」

カ「何でもないよ?」

ア「そうですか。それよりお坊っちゃま。アガットさんが待っていますよ!買い物に行く時間なのに、来ないって…」

ハ「やべ!忘れてた」

ア「それとタスク様は、リコリスさまから電話かかってきてます」

タ「リコリス!?すぐ行く!」

ア「それからドラ様。先程荷物が届いたそうです。ピアニーさんがすぐに部屋に来てくださいと伝言ありましたので」

ド「頼んだ荷物、もう来たの!?すぐ戻る!」

ア「それでは、私はこれで失礼しますね」


そう言って、アリスは出て行ってしまう。下の三人も談話室からいなくなった。



カ「アリスがすぐ出てくれて助かった…」

リ「そうだね…」

ラ「意識しちまうから?」

「「……」」


何も言えない二人だった。

ちなみにアリスは、ハルクによって、連れて行かれたのは言うまでもない。





【END】
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